ことしも残りわずか、2024年の大分県は衝撃的な事件・事故に揺れた1年となった。また全国的に注目される裁判も相次いだ。危険運転かどうかが争われた時速194キロの死亡事故の裁判、強盗殺人事件での44年ぶりの死刑判決、昼間のイオンで起きた刺殺事件など、2024年大分県での様々な事件・事故・裁判を振り返る。

大分地裁で44年ぶりの死刑判決 直接証拠無く被告は無罪主張「強盗殺人事件」

強盗殺人の罪に問われた佐藤翔一被告
強盗殺人の罪に問われた佐藤翔一被告
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ーー大分地裁 辛島靖崇裁判長
「主文、被告人を死刑に処する」

2024年7月、大分地裁で開かれた強盗殺人事件の裁判員裁判で被告の男に言い渡されたのは死刑判決だった。
大分地裁での死刑判決は44年ぶり、裁判員裁判では初めてである。

大分県宇佐市の事件現場(2020年)
大分県宇佐市の事件現場(2020年)

この事件は2020年に大分県宇佐市安心院町の住宅で2人が殺害されているのが見つかったもので、大分市に住む40歳の男が強盗殺人の罪に問われた。男は「すべて僕はやっていません。僕は犯人ではありません」と起訴内容を全面的に否認。

しかし大分地裁は「罪証隠滅工作や不合理な弁解を続け、反省の態度を示していない」などとして死刑判決を言い渡した。
弁護側は控訴していて今後の裁判の行方が注目される。

「危険運転」を巡って全国的にも注目された 時速194キロ死亡事故の裁判員裁判

時速194キロの車による死亡事故は危険運転なのか、過失運転なのか。

2021年に大分市で起きた時速194キロの車による死亡事故の裁判員裁判で大分地裁は11月危険運転致死罪を適用し被告の男に懲役8年の実刑判決を言い渡した。

この事故は当初、検察が被告の男を過失運転致死罪で起訴し遺族の署名活動のあと、より刑の重い危険運転致死罪に変更した経緯がある。

判決後の遺族の会見(11月28日)
判決後の遺族の会見(11月28日)

危険運転致死罪は成立の条件があいまいで、適用のハードルが高いと指摘されている。危険運転致死罪を認め、懲役8年とした1審判決に対し、検察側と弁護側双方が控訴した。遺族は「量刑が軽すぎる」と話していて控訴審の判断が注目される。

多くの客が訪れていた昼間のスーパーでの凶行「女性刺殺事件」

地域に不安が広がった。6月、日田市中心部にあるイオン日田店で客の高齢女性が刺されて亡くなる事件が発生。店内にいた男が殺人未遂の疑いで逮捕されその後、殺人などの罪で起訴。男は逮捕当時、女性を刺したことを認めていたという。

逮捕・起訴された白土正博被告(事件直後の様子 日田市)
逮捕・起訴された白土正博被告(事件直後の様子 日田市)

同じく6月、大分市のアパートで2歳の女の子の顔を圧迫するなどして窒息死させた疑いで同居していた25歳の男が逮捕された。

その後、男には懲役7年の実刑判決が言い渡されている。

幼稚園バスとクレーン車が衝突 園児を含む10人けが

1月、大分市の県道で幼稚園のバスとクレーン車が衝突。園児を含む10人がけがをした。

クレーンの運転手は当時「幼稚園のバスが止まっているのに気付くのが遅れて後ろからぶつかった」と話していた。

大分市の事故現場(2024年1月)
大分市の事故現場(2024年1月)

同じく1月、大分空港で訓練中の小型機が滑走路を外れて停止。けが人はいなかった。

国はこの事案を、事故に繋がりかねない重大インシデントに認定し運輸安全委員会による調査が続けられている。

盗撮、わいせつ、拳銃誤発砲…相次ぐ「公務員」の不祥事

ー県警 種田英明本部長
「本県の警察官が法に触れる行為を行ったことははなはだ遺憾」

2024年も公務員の不祥事が次々と明らかに。8月、交番の女性仮眠室に侵入し女性警察官を盗撮したなどとして40代の男性巡査部長が停職処分に。

10月には宇佐市の駐車場で拳銃をしまう際に誤って発砲するなどしたとして、県警の刑事企画課に所属する30代の男性巡査長が減給処分になっている。

大分県警察本部
大分県警察本部

教師の不祥事も続いた。

3月、30代の県立高校の男性教師が教え子の女子生徒にみだらな行為をしたとして免職に。
6月には54歳の県立高校の男性教師が、女子生徒2人に対し同意無くわいせつな行為をした疑いで逮捕された。
その後、男性教師は起訴され懲戒免職となっている。

様々な事件・事故、そして不祥事が相次いだ2024年。来年は安全で安心な1年となることを願ってやまない。

(テレビ大分)

テレビ大分
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