ついに発表されたKindle Fire HDですが、TI OMAP 4470プロセッサや1900×1200ピクセルのディスプレイの威力がいかほどのものなのか、各社タブレット製品との差が気になるところですよね。
そこで、旧Kindle FireやグーグルのNexus 7、サムスンのGalaxy Tab 2.7.0、iPad、そして最近発表されたKobo Arcとのスペックをさっそく比較してみたいと思います。どこが優れていて、どこがそうでないのか、少なくとも数値上ではイメージできると思いますよ。
さて、アマゾンの発表によると、今回のデュアルコア・プロセッサはTegra 3に負けないメモリ帯域幅を備えているそうです(Tegra 3の5.3GB/sに対して、OMAP 4470は7.5GB/sと発表)。また8.9インチディスプレイは、新しいiPadに次ぐ精細さを実現。しかも解像度1280×800ピクセルの7インチモデルなら、200ドル(約15,700円)という破格っぷり。やだ、これってNexus 7やKobo Arcと変わらないお値段じゃない?
ついでに厚さ0.35インチ(約8.9mm)と、並み居る強豪タブレットの中で一番薄いKindle Fire HD。一方でやや見落とりするのは、昨年リリースされたAndroid 4.0 Ice Cream SandwichのようにOSスキンのカスタマイズができないこと。これは、Android 4.1 Jelly Beansのユーザーエクスペリエンスやパフォーマンス(たとえば、非常になめらかな動作を実現する「Project Butter」のようなもの)が、Kindle Fire HDでは見られないことを意味しています。そういった部分では、Nexus 7にかなりのアドバンテージがあるといえそうですね。
ちなみにもう一点。Kindle Fire HDには、年間たったの50ドル(約3,900円)で4Gデータ通信が使えるという強みがあります。iPadの4G通信がアメリカで月額4ドル(約310円)というのも魅力的だと思いますが、ほぼ同等の安さとなっています。
Kindle Fire HDが絶対無敵な存在になれるかどうかは未知数ですが、少なくともスペック上では、話題のタブレットの良いところをうまくミックスしたバランスのよい製品だといえそうです。話題のガジェットを買うたびに家庭内稟議が必要な方には、非常にプレゼンしやすいモデルかもしれませんね!
Adrian Covert(Rumi/米版)