和菓子のアン

辞書の編集部やら医者やら、林業やら
いろんな職業が小説の舞台装置として使われてきましたが、
今回はデパ地下の和菓子屋さん。

採用の仕方から、早番遅番のシフト、売れ残りの処理の仕方まで
「へ～」な情報満載でした。

登場人物も、小説的にしっかりとキャラが立っているけど
現実もそれなりに反映している感じで〇。

人が死んだり、誘拐されたりといった、派手な事件は起きないけど
ちょっとした「すれ違い」を人情味豊かに描き、
和菓子を上手に「鍵」として配置して謎解きに結びつけています。

最初の事件？、和菓子を買いに来るOLの推理は
ちょっと飛躍があるようにも思えるのですが・・・
私の理解力と洞察力の問題でしょうか？

和菓子のネーミングだって、「こじつけ」的要素もあるし
あんまり気にしちゃいけないのかもしれませんが。

正統派小説？らしく、主人公、アンちゃんの「自分探し」の旅という要素も
ありますが、そちらはかなりゆっくり。
今後が楽しみな作品です。