2011 CES開幕の前日となる1月5日(現地時間)、Intelは“Sandy Bridge”の発表を兼ねたプレスカンファレンスを米国ラスベガスで行った。毎年、CESの初日にインテルの基調講演が行われていたが、2011年は予定されておらず、このプレスカンファレンスが、CEOのポール・オッテリーニ氏が登場する唯一の機会となる。第2世代Coreマイクロプロセッサー(以下、Sandy Bridgeシリーズ)の正式発表とあわせて、インテルが2011 CESで行う最も重要なイベントといえる。
オッテリーニ氏は、2010年を振り返って、Netbookに代わって、“Arrandale”を採用したノートPCが急速に普及したことや、Google TVといった“Smart TV”などの新しいカテゴリーが立ち上がったことをトピックとして取り上げた。さらに、これからは車などもインターネットに接続してよりユーザーが便利に利用できるインテリジェンスな機能を有するようになると主張。スマートフォンの領域でも、多数のパートナーが採用するOS「MeeGo」によってエキサイティングなデバイスが登場するだろうと述べた。
そして、PC市場が成長し続けるためには、革新的でポータビリティに優れた製品が常に登場しなければならないとした上で、次の革新的進化を実現するために、インテルはSandy Bridgeシリーズを発表するとアピールした。
オッテリーニ氏は、メインストリーム(普及価格帯)PC向けのCPUでは、初めてCPUコアとグラフィックスコアを同じダイに統合したSandy Bridgeシリーズは、グラフィックスコアの進化によってより豊かなビジュアル体験をユーザーに提供できると説明。その中でも、普及価格帯向けの統合型グラフィックスコアで初めてハードウェアによるエンコードとビデオプロセッシングに対応したことを重要な機能として取り上げ、ハードウェアによるトランスコード処理で、PCからほかのデバイスへのコンテンツ移動が高速でできるようになったとした。
また、ワイヤレス接続によるディスプレイ出力機能が1080pのフルHDで可能になったことも紹介、この機能よって、DVDやBlu-rayコンテンツだけでなく、ノートPCでダウンロードしたオンラインHDコンテンツも簡単に大画面テレビで再生できるなど、ユーザーの利用環境が大きく変化すると説明する。
続いて登場したムーリー・エデン氏は、Sandy Bridgeシリーズに導入した機能や、実際に何ができるのかを実機によるデモを交えて紹介した。
エデン氏は、コンシューマーPC市場が着実に成長を続けており、2000年の調査では企業向けに対して30%に過ぎなかったコンシューマー向けPCが、2005年には40%に、そして、2010年には66%に達するまでに拡大したことで、コンシューマー向けPCの動向はPC開発の方向を決めるのに重要な影響を与えていると述べた。
「企業向けPCのクライアントは“頭”でPCを選ぶが、コンシューマー向けPCのユーザーは“心”でPCを選ぶ」という言葉とともに、米国の年末商戦における購入希望リストのトップに3年続けてPCが選ばれていることを挙げるなど、エデン氏は、コンシューマーユーザーが依然としてPCの購入に高い関心を持っていることを示した。
その多くのユーザーがPCに期待することとして、エデン氏は、twitter、facebook、Youtubeなどのインターネットを介したコミュニケーションを挙げ、多くのユーザーがネットワーク上に“自分で加工した”動画をアップロードしていると説明する。
このように、現代のPCユーザーは自らがコンテンツクリエーターとなって高解像度の動画や画像を加工している。そのようなユーザーに、インテルが開発した技術は高いユーザー体験を提供すると述べた上で、高い動画編集性能がより簡単によりシンプルなシステムで実現すれば、高解像度動画のコンテンツを公開したい“普通の”ユーザーも満足度は高くなり、そのようなユーザーにも、Sandy Bridgeシリーズは有効な機能と性能を提供できるとエデン氏はアピールした。
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