盗まれて韓国に密輸された「菩薩像」13年ぶりに返還へ…長崎の観音寺前住職「とりあえず一区切り」

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 韓国の窃盗団により、2012年に長崎県対馬市の観音寺から盗まれ、韓国に密輸された県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」。13年間の紆余曲折を経て、今年5月中に日本に返還される見通しとなった。観世音菩薩坐像を巡っては、窃盗被害以降、韓国の浮石寺が「仏像は数百年前に倭寇に(寺から)略奪された」と所有権を主張。観音寺と数年間にわたり韓国で裁判となっていた。

「仏像は高さ50.5センチ、重さ38.6キロの大きさで、密輸後に文化財当局に回収、大田国立文化遺産研究院に保管されていました。浮石寺は仏像内部から見つかった仏像が“1330年に浮石寺で作られた”との記録を基に所有権を主張。17年の1審判決では、主張が認められましたが、23年の高裁判決で1審判決が取り消され、これを最高裁も支持。観音寺の所有権が確定していました」(韓国駐在記者)

 しかし、判決確定後も双方の寺の話し合いは続き、仏像の返還は進まなかった。13年ぶりの返還に至ったのは、「さまざまな支援者、団体の協力のおかげです」と観音寺の田中節竜住職が話す。


「寺には(地理的要因から)以前から渡来物があり、観世音菩薩坐像もその一つで数百年前から代々にわたり所有。地域の方々にとっても特別な思いがある仏像でした。返還にあたっては、日韓議連、韓日議連らさまざまな方々の協力があり、浮石寺側との滞っていた話し合いが進捗。昨年12月にそうした仲介者の方から返還されることを伺い、24日に父である前住職の田中節孝が韓国に向かいました」

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