奥平大兼(21)と出口夏希(23)が、作家・住野よる氏の小説を映画化した『か「」く「」し「」ご「」と「』(中川駿監督、5月30日公開)にダブル主演することが12日、分かった。奥平は、引っ込み思案で自分に自信の持てない高校生の京、出口は底抜けに明るく、ヒロインよりヒーローになりたいクラスの人気者・三木直子(通称ミッキー)を演じる。2人は、24年の映画「赤羽骨子のボディーガード」(石川淳一監督)以来の共演となる。

奥平は「どこか懐かしい気持ちを感じさせるような作品だと思っています。だから現役の高校生はすごい共感できる部分があると思います。大人が見ても自分の学生時代を懐かしいと思える作品だなと思っていて。すごく後味の良い作品だと思うので、自分が出ている作品をこういう風にいうのはすごく恥ずかしいのですが本当にそう思う作品です」と熱っぽく語った。「いろんな楽しみ方がある作品だと思うので、おのおのの楽しみ方で、おのおのの受け止め方で楽しんでもらえたらうれしいなと思っています」と作品を評した。

Aぇ!group佐野晶哉(22)が、いつも明るい体育会系の人気者で、親友の京が気になっている三木とも幼なじみのヅカこと高崎博文を演じる。菊池日菜子(23)は、予測不能な言動でマイペースなパラこと黒田文を演じる。内気でで、ある日、突然学校に来なくなるエルこと宮里望愛を、ブルーリボン賞新人賞を受賞した早瀬憩(17)が演じる。

原作者の住野氏は「まだ完成した映画は見ていないのですが、実はめっちゃ期待しています。この企画はコロナ禍も経て約6年をかけここまでたどり着きました」と。映画化実現への感慨を口にした。製作関係者によると、実写映画化の企画書を住野氏に提案し、承諾を受けた段階で実写化プロジェクトがスタートしており、同氏は「企画段階から関わっているとも言えます」と製作の経緯を説明。「原作の繊細な世界観やキャラクターを再現するために、住野先生とは、かなり時間をかけて、丁寧に相談しました。最終的には製作側はもちろん、住野先生も納得できるものに行き着いたと思います」と自信を見せた。

中川監督は「初めて原作を読んだ時、今の時代を生きていく上でとても大切なことに気づかせてくれる作品だなと感じました。その大切なメッセージを映画でも表現すべく、そして住野先生の世界を損ねてしまわぬよう、キャスト・スタッフとともに丁寧に作り上げました。若い世代の皆さまに、この映画を楽しんでもらえたらうれしいです」と期待した。

住野氏は「時間はかかってしまいましたが、時間をかけなければ出会えなかった監督さん、出演者の皆さん、スタッフさん達がおられます。今が最高の時になるよう、僕もできるだけの尽力をさせてもらいました」と映画に対する並々ならぬ思いを吐露した。

出口は「初め、台本を読んだときは、天真らんまんで明るい女の子の印象でした。クランクイン前に住野先生からお手紙をいただいてから、そこに書いてあった言葉でとても気持ちよく自分が思った通りに役を演じられました」と、住野氏の手紙が役作りのカギになったと感謝。作品については「人の気持ちが記号で見えてしまう映画なのですが、それが見えてしまうことでさまざまなことが交差していう物語になっています」と評した。