フィギュア2025.01.01 11:11

木下淳

年齢とともに調整したグラム単位の食事

―食事に関して。一般的には、体重を減らすため、体のキレを良くするために、ご飯を減らす人が多い。白米、炭水化物を抜いたり。一方で糖質の大事さ、ガソリンになるという考え方もありますし、強化していく中で、筋力をつける、体重が増える…その分、重くなったり。ジャンプへの反作用、無意識の拒否感、きっと通過してきたんじゃないかなと想像するのですが、いかがですか

羽生僕は、そもそも体重は軽い方なので。やっぱり最初は筋力的にも足りない部分はあったと思っていますし、でもまだ10代ということもあって、まだまだ、伸び盛りだったというか。がむしゃらにやっていて、どんどん強くなれる、うまくなれる、どんどん跳べる、ようになっていく時期だったので。あまり、そこに関して自分は「食べないようにしよう」ということはなかったですね。ただ、やっぱ自分が年齢を重なるにつれて、23、24歳ぐらいでしたかね、あたりから、ちょっと「重たいのが嫌かもしれない」みたいなことを言い始めて。その時はちょっとずつ制限をしようとしたりとか「ここは練習量そんなに増やせないから、これぐらいにしとこうか」とか「試合の時の、ご飯全体の量、グラム数をちょっと減らしてみようね」みたいなことはやっていましたね。どうしても試合中は、おなかの機能的にそんなに強くないので、どうしても次の日まで胃に残ってしまう、みたいな。おなかの中に残ってしまって重いし、っていうことが結構あったので、そこに関しては、ちょっとありましたね。ジャンプに対しては。

栗原あったね～。着地の時に、ものすごいG（重力加速度）がかかるからね。ジャンプの後は。

羽生いわゆる、トレイルランとか、マラソンとか、常時、揺さぶられ続けるみたいなダメージが、より大きくかかりやすい競技でもあったので。その点、やっぱり内臓へのケアみたいなことは結構していただいたかな、とは思います。

栗原なので、私自身のスキルとしても、本当におなかの中に、どれぐらい残っているのか。正直、何グラムぐらい入ってんだ、と。滑って着地して、違和感がないかどうか。試合の時も練習に行きますよね。ということは、その手前に食事を摂っているわけです。その食事がまだおなかの中にあって、消化の過程で練習をすることになるんです。帰ってきた時に「どうだった？」「大丈夫だった？」って聞いていたんですけど「ちょっと重いかな？」とか、そういう感じだったよね。

羽生まあ、でも試合前は「重い」とか僕は1回も言わなかったですけどね。全て「大丈夫です」「元気です」「調子いいっす」みたいな（笑い）。

栗原本当に、そのあたりのあんばいを確認していた感じでしたね。

羽生まあ、でも割と、体重に如実に出る時もありましたよね。どうしても夜が遅くて、僕らの試合がだいたい午後9時とか10時とかに終わって、そこから記者会見があって、帰ってきてご飯を食べるのが12時ぐらいになったりする時もあったりして。で、その次の日の練習がお昼からあると、やっぱり午前9時ぐらいには、もう食べなきゃいけないので。そういう時はやっぱり体重測定すると重かったりとか「ちょっと重いから、じゃあこういうふうにしよう」みたいなことは、割と計算していたかもしれないですね。

離れていても共有できたイメージ

―ソチまでは「健康」がテーマ。平昌までの戦略はどうだったんですか

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