【イチロー大相撲〈45〉】湘南乃海、言い訳はしたくない 「泣いてもいない」

九州場所の番付発表が、10月28日にありました。これから力士たちは、今年最後の本場所へ向け、稽古を本格化させます。

直前まで行われた秋巡業は、休場者が相次ぎました。中でも、湘南乃海(26=高田川)の休場理由は「多汗症、甲状腺機能亢進(こうしん)症疑い」。

心配するファンも多くいました。情報が途絶える中、話を聞きました。

大相撲

◆湘南乃海桃太郎(しょうなんのうみ・ももたろう)本名・谷松将人。1998年(平成10年)4月8日、神奈川・大磯町生まれ。中学までは野球部。高田川部屋に入門し、2014年春場所初土俵。18歳で幕下に昇進したが、そこから十両昇進まで5年以上かかった。最高位は西前頭5枚目。194センチ、187キロ。大食漢として知られ、バラエティー番組などで活躍中。「爆食力士」の異名を持つ。

「大丈夫です」「問題ないです」

稽古後、湘南乃海に話を聞いた。

―今、体調はどうですか

全然、はい。問題ないっす。大丈夫です。


顔色は良さそうだ。体の張りも良い。

9月の秋場所は、西前頭5枚目で3勝12敗。力を発揮できていなかった。

10月1日から始まった秋巡業には姿を見せなかった。後日、日本相撲協会から発表された診断書によれば「多汗症、甲状腺機能亢進症疑い」。

検索してみると、つまりバセドウ病の疑いであることが分かった。今後に影響しないのか、心配になった。

秋場所14日目 呼び出しにタオルを返す前に、きれいにたたむ湘南乃海(2024年9月21日撮影)

秋場所14日目 呼び出しにタオルを返す前に、きれいにたたむ湘南乃海(2024年9月21日撮影)

―診断書が発表されましたが、あの通りですか

 

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スポーツ

佐々木一郎Ichiro Sasaki

Chiba

1996年入社。2023年11月から、日刊スポーツ・プレミアムの3代目編集長。これまでオリンピック、サッカー、大相撲などの取材を担当してきました。 X(旧ツイッター)のアカウント@ichiro_SUMOで、大相撲情報を発信中。著書に「稽古場物語」「関取になれなかった男たち」(いずれもベースボール・マガジン社)があります。