前橋育英(群馬)のスーパーサブ、MF白井誠也(2年)が優勝に安堵(あんど)の表情を浮かべた。

PK戦、決めれば優勝となる8人目のキッカーで登場。ヒーローとなる絶好のチャンスで、力んだシュートはゴールバーの上に外れた。山田耕介監督も思わずピッチに崩れ落ちてしまい、大の字になった。

しかし、GK藤原優希(3年)が流通経大柏の10人目のシュートを止め、その後のMF柴野快仁(2年)がゴールを決めて優勝をもぎ取った。

白井はシュートミスした場面を振り返り、「藤原先輩には本当に申し訳ないで気持ちでいっぱいで、そこでハルさん(MF石井陽)とかが声をかけてくれて。チームのみんなに本当にお願いしますという、本当に願うことしかできなかった。ハルさんから“大丈夫、もう1本、藤原が止めてくれるから”っていう風に言われて。思い切り振ろうとしたんですけど、やっぱり緊張と不安で力んでしまった。本当にみんなにありがとうという感謝の気持ちでいっぱいでした」と話した。

この日もスーパーサブとして後半12分に登場。161センチと小柄ながら武器とするドリブルで積極的に仕掛けた。だが流通経大柏のタイトなディフェンスの前に、いつものような鋭い突破は見せられなかった。ただ2年生ということで、来季はさらなるステップアップが期待される。

「自分はやはりドリブルが特徴ですけど、もっと周りを使ってやっていかないといけない思いました。注目されるのはうれしいですけど、その中で今日はやっぱり緊張したり、堅くなってしまう部分があったので、もっとリラックスしていつものプレーができるようにメンタルの部分は鍛えていかないといけないって思いました」

小学6年時のバディーSC時代に続く日本一。ただ奢らず、自身のプレーに磨きをかけていくことを誓っていた。