Bリーグ初の野球場開催で、観客動員のリーグ記録を樹立した。エスコンフィールドで行われた一戦は、史上最多1万9462人の観衆を集める歴史的な一戦となった。今回の企画は日本ハムがBリーグ、レバンガ北海道に提案して実現。クラブの折茂武彦社長(54)が「鳥肌が立つ」と表現するほどの大観衆が声援を送った。試合は中地区3位の三河に及ばず、今季3度目の3連敗となった。
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3階席からも大歓声が降り注いだ。昨年誕生した新球場で、日本バスケットボール史が塗り替わった。来場者1万9462人は、Bリーグ主管試合の過去最多(23年5月のチャンピオンシップファイナル、1万3657人)を約6000人も上回る大観衆。折茂社長は「見たことがない景色。鳥肌が立つような感じ。『うらやましいな』と思いました。バスケット界に新しい風が吹き始めたのかなという風に思う」としみじみ語った。
コートには高級車ランボルギーニに先導された大型トラックに乗って入場。エスコンフィールドを本拠地とする日本ハムのファイターズガールも演出に花を添えた。小野寺龍太郎監督(43)は、「景色には、泣きそうになるぐらい感動しました」と話し、「広い会場の中で、もしかしたら(指示が)聞こえないケースがあったかもしれない」と歓声の大きさを表現した。
最高の舞台に、勝利を届けることはできなかった。レバンガがリードを奪ったのは、開始1分37秒にトーマス・ウェルシュ(28)が決めて4-3とした時だけ。15秒後に逆転を許すと、第3クオーター(Q)に15点差を4点差に詰める見せ場を作るも、最終Q序盤に連続失点し、力尽きた。主将の島谷怜(24)は「1万9000人を超えるお客さんに来ていただいた中で勝つことができず悔しい気持ち」と唇をかんだ。
29日も今年最後の試合がエスコンフィールドで開催される。島谷は「明日(29日)は結果にフォーカスしてやりたい」。再び大観衆の見つめる前で連敗を止め、明るい年明けにつなげる。【中島洋尚】
○…タイムアウト時やハーフタイムには、ファイターズガールとレバンガのチア「パシスタスピリッツ」が一緒に踊り、会場を盛り上げた。日本ハムの公式戦でおなじみの「きつねダンス」も2度披露された。会場に設置されたゴールは、本拠地の札幌・北海きたえーるから運んだもの。折茂社長は「ファイターズさんも(レバンガの)現場スタッフもめちゃくちゃ大変。来年(開催が)できるかの判断は、これからの検討」と話した。