女子シングルスの日本一を決める決勝の舞台で不可解な判定があった。
第1ゲーム(G)の中盤。仁平菜月(26=ヨネックス)が14-16で宮崎友花(18=山口・柳井商工)を追う中、相手後方へのショットがライン際に落ちた。審判が仁平の得点を意味する「イン」の判定を下すと、宮崎がすかさずビデオ判定(チャレンジ)を要求。約1分にわたって映像で確認する時間がとられたが、場内ビジョンに映されたのは“判定不能”を意味する「No Decision」の文字だった。
何らかの理由でビデオ判定ができなかった場合、審判がはじめに下した判定でスコアがカウントされるため、今回であれば仁平の得点が追加となる。ところが仁平の得点は増えず、14-16のまま試合が再開されることとなった。仁平は主審に歩み寄ったものの、状況や事態を説明する場内アナウンスは一切なし。何が起きてどうなったのか、観客の存在は置き去りにされたまま試合は進んだ。
試合の流れは宮崎へと傾き、仁平は第1Gを18-21、第2Gを14-21で落とした。仁平は「負けたことが悔しかった。相手も期待されている分、強い気持ちで来るとは思ったが、負けた結果に対してただただ悔しい気持ちです」と敗戦を受け止めた。
フジテレビ系の中継で解説を務めたパリオリンピック(五輪)8強の大堀彩は「全日本総合のチャレンジは、こういうことが何度もありました」と実体験を踏まえて説明。その上で「チャレンジをするのであれば、結果(何らかの判定)を出さないといけないと思う。これはおかしいかもしれないですね」「チャレンジの待ち時間は長くとられてしまうことが何度もあるが、これで流れが変わってしまうのであまりよろしくないかなと思います」と私見を述べていた。