静岡の「お達者度」男性首位は森町 介護不要の健康寿命
静岡県は26日、独自に算出した2011年版の市町別の健康寿命「お達者度」を発表した。65歳から何年間、健康に過ごせるかを示す指標で、トップは男性が森町の「18.82年」、女性は川根本町の「21.84年」だった。県は団塊世代が75歳以上の後期高齢者となる25年に向け、生活習慣の改善を浸透させ、健康寿命の延伸につなげる。
11年の県内市町別の人口や介護認定などに基づき算出した。要介護度2~5でない状態を「自立している」とし、65歳以降の平均自立期間をお達者度と定義した。
男性のお達者度は森町に次いで河津町(18.67年)、川根本町(18.37年)が長く、女性は川根本町に続いて吉田町(21.78年)、南伊豆町(21.58年)の順だった。お達者度は09年版から出しており、過去3年の全てで上位5位に入ったのは男性が磐田市と長泉町、女性が吉田町だった。
県は今年2月に実施した高齢者の生活実態調査をもとに、過去3年間のお達者度の平均が長い市町の特徴を分析。その結果、30分以上の運動が週1回以上の人や、筋肉量に影響を与えるとされる豆製品を週4回以上食べる人、緑茶を毎日4杯以上飲む人が多いことが分かった。
このほか、お達者度が長い傾向として、喫煙経験者や肥満者が少なかったほか、働き盛りの世代と交流があったり、2世代以上同居していたりするケースが多かった。調査に協力した浜松医科大学の尾島俊之教授は「運動、食生活、社会参加が重要であることが改めて示された。各市町は今後の取り組みの参考にしてほしい」としている。
政府は健康寿命の延伸を成長戦略に盛り込んでいる。県も25日、高齢者の健康につながるプロジェクトや先端医療産業の集積を盛り込んだ国家戦略特区を国に提出した。健康寿命の延伸を社会保障費の削減や新産業の創出につなげる方針だ。