平城宮跡で自動運転バス運行 香港企業など
奈良市の世界遺産、平城宮跡を舞台としたICT(情報通信技術)や移動サービスの社会実験で、香港のスタートアップ「パーセプティン」と半導体商社マクニカ(横浜市)などが7日、自動運転バスの試乗会を開いた。近隣住民らが対象で、観光客ら一般向け運行は9日から。
国土交通省が推進し、まちづくりや観光分野のスマート化を目指す「平城宮跡歴史公園パークスマートチャレンジ」の一環。8人乗りの低速電気自動車(LSEV)を使用する。全地球測位システム(GPS)や「コンピュータービジョン」などの情報を統合する技術で自動運転し、低コストが特長という。リスクアセスメントは損害保険ジャパン日本興亜が協力する。
近鉄奈良線の踏切北側の広場から、復原事業情報館や平城宮跡資料館を回る約5キロのルートを、最高時速20キロで約40分かけて走る。実験期間中はセーフティードライバーが同乗する。今後、オンデマンドによるタクシーとしての活用や公道への展開なども目指す。
運行は9日から来年3月1日までの隔週の週末で、合計16日間。社会実験は他にも施設管理などの分野で行われ、別の日程でNTTグループによる自動運転車などを組み合わせた移動サービスの提供も行われる。乗車しながら仮想現実(VR)技術で歴史体験ができるサービスも予定されている。
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