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王子HD、国内で2000人削減 工場閉鎖も検討

(更新)
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王子ホールディングスは22日、東京都中央区の本社で経営説明会を開き、2016年3月末までに国内の全従業員の1割にあたる約2000人の削減を柱とするリストラ策を明らかにした。印刷用紙などの工場閉鎖も検討する。内需の縮小、円高による輸入紙の定着で国内市場が厳しさを増すと判断、一段の構造改革に踏み込む。同時に東南アジアを中心とする成長地域へ経営資源を集中していく方針だ。

王子の本社と国内の連結子会社86社の従業員数は今年9月末時点で約2万人。16年3月期に約1万8千人へと削減する。進藤清貴社長は「厳しい環境を想定し構造改革のスピードを上げなければならない」と話した。

人員削減の内訳は示していないが、「団塊世代の定年退職が増える自然減の要因が最も大きい」と同社は説明した。コスト削減効果は年約100億円とみられる。

王子は国内工場の閉鎖の可能性にも言及。国内に約30カ所ある生産拠点のうち、主力の印刷情報用紙を手掛ける工場も含め、将来の生産性などを試算して拠点の絞り込みを検討する。

08年の米リーマン・ショック後、国内では値下がり相場となり収益力を高めるために設備を廃棄してきた。今後は不採算品から撤退するなど対策を広げる。

紙・板紙の11年の国内市場は00年と比べ約13%減った。電子メディアの普及などもあり需要が縮小。さらに円高で昨年から中国などの輸入紙が急増した。

王子はこの環境が今後も続き、国内工場の稼働率の維持は難しいとみている。印刷情報用紙の設備稼働率は現在の95%から15年度には最悪のケースで80%を切る水準になると予測。「厳しくみた上で構造改革を進める」(進藤社長)

王子は今後、アジア展開を急ぐ。海外売上高を16年3月期に3600億円と現在のほぼ2倍にする。全体に占める割合は現在の11%から26%へ高まる。東南アジアなどの物流増加を狙い段ボール事業に注力、企業買収も積極的に狙う。インドでも現地製紙大手や丸紅と組み、14年に段ボール箱工場を稼働させる。

このほか再生可能エネルギー買い取り制度を踏まえ、すでに北海道で地熱発電や太陽光発電への着手を表明。今後はバイオマス発電の強化に乗り出す。化学品にも力を入れ、スマートフォン(高機能携帯電話)などのタッチパネル向けフィルムの増産を進める。

王子ホールディングスは構造改革をテコに16年3月期の連結業績で売上高が13年3月期予想比11%増の1兆4000億円、営業利益が同55%増の900億円を目指す。

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