シャープ次期社長「すべて自前は限界」 鴻海との提携
台湾の鴻海精密工業との資本業務提携についてシャープ次期社長の奥田隆司常務執行役員が都内で記者会見した。主なやり取りは以下の通り。
――なぜ鴻海グループと提携するのか。
「研究開発から生産、販売まですべて自前で手掛ける単独の垂直統合モデルには限界があった。鴻海グループが持つ高い生産・加工技術力とコスト競争力を融合し、両社の強みを生かしたグローバルでの垂直統合モデルを一緒に作り上げる。魅力的な商品やデバイスを機動的に提供でき、シャープの弱点を補える」
――堺工場からの液晶パネル供給はいつ始まるのか。
「今年10月の供給開始を目指している。堺工場で生産したパネルの半分を鴻海グループが引き取ることで合意している。今回の提携で堺工場は稼働率を維持できる。主要部材の調達で規模のメリットを生かし、コスト削減につなげたい」
――鴻海グループは液晶パネルの奇美電子(CMI)を持っている。
「シャープとCMIは別々に事業運営する。ただ、将来は総合的な業務拡大も考えられる」
――海外で液晶テレビの生産から撤退・縮小する可能性は。
「基本的に自社の工場を廃止・縮小することは考えていない」
――提携でテレビ事業は立ち直れるのか。
「共同設計を進め、共同で工場を使いこなす。市場創造型の革新を加えて競争力あるものにしていきたい」
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