JR北海道社長が行方不明 遺書らしきもの発見
JR北海道は12日夜、札幌市内の本社で緊急会見し、中島尚俊社長(64)が同日朝から行方不明になっていると発表した。家族が同日、北海道警札幌東署に捜索願を出した。社長の自室から家族や会社関係者にあてた、複数の遺書らしきものが見つかったという。
会社の迎えが12日午前9時半ごろ自宅についた時点で、既に行方が分からなくなっていた。札幌近郊で自家用車が発見されたが、12日夜時点で本人の所在は不明。中島社長は札幌市に妻と2人暮らしで、11日夜遅くに自宅にいたことが確認されている。
同社では柿沼博彦副社長(68)が当面、社長業務を代行する。中島社長は1969年、東京大学経済学部卒、日本国有鉄道(当時)に入社。87年の民営化とともにJR北海道へ。2007年、同社社長に就任した。
同社を巡っては5月にJR石勝線で特急列車が脱線炎上する事故が発生。国土交通省は6月、乗客への避難誘導が遅れたとして事業改善命令を出した。事故後も居眠り運転などのトラブルが相次いで発覚。今月17日には改善措置の報告期限を迎えるが、JR北海道は16日に報告する予定という。
12日夜会見した島田修常務は「11日午前、会社の守衛が日曜日にしては珍しく、中島社長が出社したことを目撃している」と説明。ただ「こうした事態になるとは思わなかった」と話した。