「孤立しない独立が大事」 規制委、田中知氏が初登庁
9月に原子力規制委員会の委員に就任することが決まった東京大学の田中知教授が13日、就任準備のため初登庁した。規制委は原子力発電所の再稼働に向けた審査を担うが田中氏は「孤立しない独立をどう保つかが大事だ」と記者団に述べ、地元自治体などへの説明責任を果たす考えを強調した。
田中知氏は日本原子力学会の元会長で、9月に任期が切れる元外交官の大島賢三委員の後任。引き継ぎを円滑に進めるため、同日付で非常勤の役職である「規制委参事」の辞令を受けた。田中知氏は業界団体である日本原子力産業協会の役員を務めた経歴があるため、中立性を疑問視する声もある。田中氏はこの点について「規制委には国民の安全、人と環境を守る大きな目的がある。その目的をしっかり感じながらやっていきたい」と説明した。
田中知氏と同様、9月に委員に就任する地質学者の石渡明・東北大学教授も同日午後に初登庁し、規制委参事の辞令を受け取る予定だ。