世界の食料価格、最高値を更新 8カ月で40%上昇
国連機関2月指数 原油高も響く
【ジュネーブ=藤田剛】国連食糧農業機関(FAO)が3日発表した2月の食料価格指数は前月比2.2%高の236.0ポイント(2002~04年=100)で、2カ月連続で過去最高値を更新した。上昇は8カ月連続で、この間の上昇率は40.4%に達した。天候不順で生産が伸び悩み、世界的に在庫が減少したことが主因。FAOは「予期していなかった原油高が加わり、状況がさらに悪化してきた」と警戒している。
原油価格は中東や北アフリカ情勢の混乱で供給不安が強まり、2月から上昇に拍車がかかっている。この結果、燃料費が大幅に上がり、食料の運送・生産コストが跳ね上がっているという。コストの上昇が生産の回復を遅らせ、在庫不足の状態が長期化する懸念も出てきた。
FAOは穀物、食肉、砂糖、乳製品、油糧種子の国際取引価格から、食料価格指数を毎月算出している。2月の品目別の指数を見ると、南半球で生産が減っている乳製品が前月比3.9%高となり、最も上昇率が大きかった。中国など新興国の需要が拡大する穀物が3.7%高となり、これに続いた。
食料価格の上昇は貧困層の生活を圧迫し、中東や北アフリカで広がる反政府デモの一因になっている。20カ国・地域(G20)は6月にパリで初めての農相会合を開き、食料高への対応策について協議する予定だ。