自作曲、カラオケ店で歌えます エクシングが投稿サービス
音楽愛好家の来店誘う
まずパソコン専用のソフトを無料でダウンロードする。投稿する前にエクシングが作った著作権などについてのオンライン講習を受ける必要がある。「他人の曲を勝手に使用できないことなどを知ってほしい」(同社)ためだ。投稿した曲をキョクプロの専用サイトで視聴するサービスは無料。
同社のカラオケ機器「JOYSOUND f1」に配信し、店で歌えるようにするには1曲につき半年で5000円がかかる。エクシングの直営店だけでなく、同機器を導入している他社の店舗でも利用できる。キョクプロのサイトでは自分の曲が何回歌われたかがわかるようにしており、ユーザーの反応から人気度が示せる。
自作の曲はソフトを使ってカラオケ用にアレンジしてから投稿する。カラオケ店で歌う場合、モニター画面に歌詞のテロップが流れ、歌のスピードに合わせて色が変わっていく。これをソフトでは自分で調整しながらテロップを作成する。キョクプロで用意されたカラオケ用のビデオを使って曲が演奏される際の背景も自由に編集できるようにした。
通常のカラオケ店では曲名や歌手を検索するリクエスト端末を使うが、キョクプロで配信された曲も端末から検索して歌う。有名歌手の曲と自分の曲が同じようにカラオケで歌えるのは「来店のきっかけづくりになる」(企画開発部の北村秀仁部長)とみる。動画投稿サイト「ユーチューブ」など、ネットでは自分が作った曲を投稿する人は多い。まだ有名になってはいないが、特定のファンを持っているアーティストにも配信サービスを利用してもらうことでファンの来店につなげる狙いだ。
キョクプロでカラオケに配信された曲はこれまで約300曲。このうち半分がメジャーデビュー前のアーティストで、約2割がかつてバンドをやっていた人など音楽マニアが占めている。今後は全配信曲二十数万のうち、1割程度にあたる約2万曲に引き上げる方針だ。カラオケに行かない理由のひとつに「歌いたい曲がない」があり「自分で作った曲は自分で歌いたくなり、誰かにも歌ってほしいはず」(北村部長)とみている。
カラオケ市場は若者離れや職場の2次会利用などが減り、伸び悩んでいる。エクシングは自作した曲をカラオケで歌えるサービスをテコに、ネットから店舗への顧客誘導を支援し、カラオケの活性化につなげる。
(古山和弘)
[日経MJ2013年10月4日付]