米メリーランド州のネット広告税阻止へ提訴 業界団体
【ニューヨーク=共同】米国商業会議所とグーグルやフェイスブック、アマゾン・コムなどでつくる業界団体は18日、米東部メリーランド州が導入を決めたインターネット広告収入に対する全米初の新税について、州による電子商取引(EC)への差別的課税を禁じた連邦法に違反するとして、連邦地裁に差し止めを求める訴えを起こした。
原告らは訴状でネット広告税について「印刷広告ではなくデジタル広告に対する懲罰的な攻撃だ」と批判。「消費者のコストがかさみ、企業が顧客とつながることを難しくする」と指摘し、州民や中小企業への悪影響を強調した。
新税は新型コロナウイルスの感染拡大で減少した税収を補う狙いがある。デジタル広告の売上高が一定の規模を超える企業を対象に、州内のデジタル広告の売上高に応じて税金を課す。グーグルなどの巨大企業は最高税率が適用される見通し。
米メディアによると、東部コネティカット州や中西部インディアナ州など全米各地でIT企業への新税導入の動きがある。米紙ワシントン・ポスト電子版は18日、業界団体の提訴について「他の州が新税導入で追随するのを防ぐ狙いもある」と伝えた。