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英、感染急増でもコロナ規制撤廃へ 死者・重症者抑制で

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【ロンドン=中島裕介】英国のジョンソン首相は5日の記者会見で、公共交通機関でのマスクの着用やイベントの入場人数の制限など新型コロナウイルス対策の規制を19日にほぼ撤廃すると発表した。足元ではインド由来のデルタ株の流行で感染者数が急増しているが、ワクチン効果で死者や重症者数の急増にはつながっていないと判断した。

規制の撤廃は英国の人口の大半を占めるイングランドを対象とする。英国では1回以上ワクチンを接種した成人が全体の86%にのぼり、1日の死者数は1ケタから20人台に抑えられている。ジョンソン氏はワクチン効果で死者数が大幅に減っていると指摘。「いま先に進まないのなら、いつ進むのか」と規制廃止の正当性を訴えた。

英国ではこれまで感染状況にあわせて段階的に規制を緩和し、飲食店の店内営業もできるようになるなど経済が平時に戻りつつあった。今回が事実上、最後の規制緩和となる。

公共交通機関などで義務付けられていたマスク着用ルールを撤廃するほか、コロナ危機中ほぼ営業を禁止されていたナイトクラブも含め全ての事業者の再開を認める。店内やイベントでの入場人数の制限もなくし、人と人との距離(ソーシャルディスタンス)に関する規制も撤廃する。政府による在宅勤務の奨励も終了する。

ただ、野党や一部の市民からは感染が急増する中での規制解除に不安や懸念の声が上がっており、国内の議論は割れている。

英国の1日あたりの感染者数は一時期1千人台まで減少したが、デルタ株の流行でここ数日は2万人を超えた。記者会見でジョンソン氏はこの数字が19日までに5万人に達する可能性があると語った。

英調査会社ユーガブによると、約7割の英市民が交通機関でのマスク着用義務の継続を望んでいる。最大野党・労働党のスターマー党首は、「現段階でのほぼ全ての規制解除を同時に行うのは無謀だ」と批判した。

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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