スマホ充電器「USBタイプC」に統一 欧州委が法案
【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)の欧州委員会は23日、域内で販売されるスマートフォンなどの充電機器の端子を「USBタイプC」に統一することを盛り込んだ法案を公表した。同法案が成立すれば、主に別のタイプを使っている米アップルに打撃となる。
対象になるのは携帯電話のほか、タブレット、デジタルカメラ、ヘッドホンなどで、生産事業者にはUSBタイプCの充電ポートを搭載することが義務付けられる。利用者は機器のメーカーにかかわらず同じ充電器で充電できるようになる。
法案ではスマホなどの機器と充電器を別に販売することも求める。不必要な充電器を購入しないで済むようにする狙いがある。欧州委は法案は消費者の利便性を高めるのに加え、年間1千㌧の廃棄物の削減と2億5千万ユーロ(約320億円)のコスト減につながると説明している。
EU加盟国と欧州議会での議論・審議を経て、早期の成立をめざす。成立後に2年間の移行期間が設けられ、企業はその間に対応する。これまでアップルは技術革新が阻害されるなどの理由で反対する姿勢を示していた。
ブルトン欧州委員(域内市場担当)は記者会見で「我々の提案で欧州の消費者は1つの充電器をすべての電子機器に使えるようになる」と法案の意義を力説した。
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