沖縄アイスのブルーシール、本店新装開店 年40万人想定
アイスクリームを製造・販売するフォーモストブルーシール(沖縄県浦添市)は23日、同市の幹線道路沿いに本店をリニューアルオープンした。開店前に約500人が並ぶほどの盛況ぶりで、同社の村上琢磨社長は「年間では40万人の来店を見込んでいる。家族が楽しい思い出を刻む場になれば」と語った。
「ブルーシール牧港本店」は2階建てで1階部分が約490平方メートル、2階が約540平方メートル。延べ床面積では旧本店の1.5倍となった。客席は合わせて約200席で、家族連れなどが予約して使えるパーティールームも設けた。営業時間は午前10時から午後10時まで。
新本店は「笑顔の思い出シアター」がコンセプト。旧本店と同様に黒と白のチェックの床や赤いレザーのシートを採用、アンティーク風のランプやシーリングファンなどアメリカの大衆食堂「ダイナー」の雰囲気を味わえる店舗に仕上げた。2階にはTシャツ販売などポップアップストア(期間限定店)を出せるスペースも設置した。
アイスクリーム約30種類のほか、人気だったアップルパイは食感を工夫してアイスと一緒に楽しめる新メニューとして提供する。同社としては初めてドライブスルーも採用した。
初日のこの日は午前11時の開店を予定していたが、大勢のファンが並んだため入場を早めた。午前7時30分ごろと最も早くから並んだという福岡市の男性(44)は「アメリカの雰囲気が感じられる店の作りが好きで、開業日に来た。シークワーサーシャーベットと島パインココナツを食べたい」。
沖縄県うるま市の藤原直美さん(53)は姉や娘、孫の5人で来店。「1972年の復帰前からアイスといえばここ。濃厚な味わいはまさに沖縄の味」とアイスをほおばりながら笑顔を見せていた。
フォーモストブルーシールは米国統治下の1948年、県内の米軍基地で創業した「アメリカ生まれ、沖縄育ち」の企業。63年に現在の場所に本店を移したが、建て替えのため2022年春から一時休業していた。
同社は新型コロナウイルス禍で売り上げが落ち込んだのを機に、黒糖など地元食材を使ったメニューを拡充。県内の子育て層への浸透を中心とした販売戦略の見直しを行ってきた。
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