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八王子市長選、逆風下の与党系が辛勝 小池都知事も応援

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事実上の与野党対決の構図となった東京都の八王子市長選が21日投開票され、与党が推す候補が勝利した。自民党派閥の政治資金問題で逆風が吹く状況で接戦を制した。7月の都知事選をにらむ小池百合子都知事が終盤に与党側の応援に駆けつけた。

当選した元都職員の初宿和夫氏は自民党、公明党が推薦し日本維新の会の地方組織「東京維新の会」が支援した。立憲民主党、共産党、社民党が支持する元都議の滝田泰彦氏が競った。

八王子市は自民党の萩生田光一前政調会長の地元だ。同氏は政治資金問題で刑事責任を追及された安倍派(清和政策研究会)の所属で、資金問題を受けて政調会長を辞任した経緯がある。

「与党に厳しい選挙戦で、無党派層がとれていない」。与党幹部は選挙期間中に焦りを隠さなかった。2023年春にいちど解消した自民党と公明党の都内の選挙協力を再構築し「自公協力復活の象徴」とするべく足場を固めた。

選挙戦終盤には小池氏や維新とも接近した。地域政党「都民ファーストの会」はどの候補にも推薦を出さなかったものの、同党で特別顧問を務める小池氏は19日に初宿氏の応援に入った。

都知事選で3期目の再選をうかがう小池氏は自公の支援を確保したいとの考えがにじむ。自民党の都連幹部は「次も出るなら、自民党は小池氏を推してもいい」と明かす。

20日には菅義偉前首相や維新の柳ケ瀬裕文総務会長も初宿氏を後押しするため街頭に立った。

滝田氏は「野党統一候補」として立民、共産党、社民党などがまとまって動いた。都民フの一部も支援に回ったが及ばなかった。

4月に衆院の補欠選挙、7月には都知事選や8つの都議補選が控える。25年秋に任期満了を迎える衆院を巡り24年内に解散・総選挙があるとの見方も多い。

次期衆院選を前に大型選挙で敗北が続けば与党内からは「選挙の顔」を代えるべきだとの首相交代論が噴出しかねない。八王子市長選ではしのいだものの、政治資金問題で揺さぶられる与党の前途多難な状況に変わりはない。

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