今回はまさかのエゾシカ味噌ラーメンである。
熟成させたエゾシカを食べる謎の会に参加したのだが、その際にシカガラをもらってきたのだ。
こういった一期一会な料理こそが、楽しいのである。
カモシカのような脚という言葉はよく聞くが、今回はエゾシカのような脚のである。ような、というか、そのものだ。見事なアキレス腱である。
背ガラ、脂身、筋など、もろもろ。
臭みがどうしても出るらしいので、一度茹でて、流水で洗ってから使用する。
さて麺は、エゾシカの風味に負けない強い麺ということで、強力粉でいってみる。
「ホームベーカリーにぴったり」と書かれているが、ホーム製麺機にだってピッタリのはず。
別件で出前をする必要があるので、試しに片栗粉を5%混ぜてみた。
冷麺やマロニーちゃん的なニュアンスで、コシが強くて伸びにくい麺になってくれやしないだろうか。
強力粉950グラム、片栗粉50グラム、水440グラム、塩10グラム、重曹10グラム。
片栗粉を入れた生地だが、5%なのでそんなに変化はないかなという感じ。
これを一日寝かせて、極太麺にする。
さてスープは、日本酒とローリエを入れて煮込んだエゾシカのダシをベースに、味噌、醤油ダレ(こちらで作成)、ニンニク、ショウガ、胡椒を合わせたもの。
具は味噌ラーメンということで、煮込んだシカ肉、白菜、ニンジン、モヤシを上記スープで煮てみた。
ちなみにスープが冷えた時に固まった脂はだいぶ除いた。さすがに多い。
出来上がった熟成エゾシカ味噌ラーメンだが、仕留めた際にちゃんとした処理を施された、素性のいいシカ肉を使ったために、野性味はたっぷりあれど、嫌な臭みは一切なし。
エゾシカの脂肪やゼラチン質から出た、独特の甘さとコクが味噌味とベリマッチ。
片栗粉入りのコシがある極太麺の相性も良し。この麺、うまい。
野菜から出た旨味も加わり、他では味わえない一杯となった。
地ラーメンならぬジビエラーメン。
まあジビエというか猟師料理っぽいのだが。
二度と再現できないであろうラーメン、御馳走様でした。