阪神・佐藤輝が導入するクリケットバットトレ あの大谷も用いるアイテムの効果を「本職」に聞いた

[ 2025年2月3日 05:15 ]

野球からクリケット選手に転向した木村昇吾(撮影・郡司 修)
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 阪神・佐藤輝明内野手(25)が春季沖縄キャンプ第1クール2日目の2日、ランチ特打に初登場。66スイングで16本の柵越えを放ち、そのうち11本を中堅から左翼方向へと運んだ。臨時コーチを務めたOBの糸井嘉男スペシャルアンバサダー(43=SA)が持参したクリケットのバットを既に昨年12月から練習ドリルの一つとして導入。広島などで通算733試合に出場し、18年からクリケット選手に転身した木村昇吾選手(44)がスポニチ本紙の取材に応じ、クリケットのバットを用いた打撃練習の効果を解説した。

 クリケットのバットは、筒状ではなく平面になっています。なので、手首を早めに返さず、来た球に対してバットの面を長く見せながら押し込む形を会得する効果があります。

 面を長く見せる形は、内角球から低めの変化球まで全てに求められます。たとえば低めの変化球であれば、強引にすくい上げるのではなく、手首を返さずにラインを出していく。その上で佐藤くんが本来持っている飛距離の出る角度の打ち方をすればいいわけです。

 重さは1300~1400グラムあり、野球のマスコットバットより少し重い。重たいものを振るという一石二鳥の効果もあります。大谷選手もかなり強い力感で振っていました。

 2年前ぐらいに糸井くんに会った際、クリケットバットを持って「これいいですね」と関心を持っていました。臨時コーチが決まってすぐに連絡があり、今日の練習後もお礼の連絡がありました。 (クリケット選手)

 ◇木村 昇吾(きむら・しょうご)1980年(昭55)4月16日生まれ、大阪府出身の44歳。尽誠学園3年夏に甲子園出場。愛知学院大を経て02年ドラフト11巡目で横浜(現DeNA)入団。07年オフにトレードで広島移籍。15年オフに海外FA権行使も移籍先が決まらず、西武にテスト入団。17年オフに戦力外となり、クリケットに転向。18年日本代表に選出。オーストラリアやスリランカのチームで活動する。NPB通算成績は733試合、打率.261、3本塁打、71打点、34盗塁。1メートル83、78キロ。右投げ左打ち。

 ▽クリケット 16世紀発祥の球技で英国の国技。プレーするのは1チーム11人で、1人のボーラー(投手)と捕手(ウィケットキーパー)、それ以外の9人の野手(フィールダー)で構成される。2チームが攻撃と守備を1イニングずつ行い、総得点数を争う。攻撃は10アウトまたは試合形式ごとに定められた投球数で交代。コルクの芯をウール糸で巻き、皮革で包んだボールを、細長い板状のバットで打つ。2人の打者(ストライカーとノンストライカー)が打球を放ったと同時にウィケットと呼ばれる柱を目指して走り、1回入れ替わると1点が入る。

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