企業名想起率
少し古い情報(2015年)ですが、日経BPコンサルティングによる「企業名想起率(メッセージのみを提示してその企業の記入を求めたとき、正しく記入できた回答者の比率)」のランキングが面白いです。
そのランキングをベースとして、クイズを出してみます。このメッセージを出している企業名、分かりますでしょうか?
- 窓を考える会社
- ZOOM-ZOOM(ズーム・ズーム)
- ココロも満タンに
- ヒューマン・ヘルスケア
- お口の恋人
では、答えあわせをします。
1.YKK AP(窓を考える会社)
窓をモチーフとして、おりなす素敵なストーリーを短い広告に詰め込んでいます。見てるとちょっと感動しますね。
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2.マツダ(ZOOM-ZOOM)
子どもはみんなクルマが大好きですね。ドライブの楽しさをノリノリの曲と共に届けてくれるかっこいい広告です。
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3.コスモ石油(ココロも満タンに)
石油の広告で持続可能な未来を想起させるのは至難の技ですが、それを上手くまとめた上手いCMですね。
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4.エーザイ(ヒューマン・ヘルスケア)
エーザイは多くの製薬会社と違い、製薬という社名を付けず、ヒューマン・ヘルスケアとするところに理念を感じます。
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5.ロッテ(お口の恋人)
これはもう説明の必要もないほど浸透した会社のキャッチコピーですね。多分、皆さんが正解したのではないでしょうか。
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CMの効果は以前ほど絶大ではありませんが、私たちが会社を認知する手段としていちばん効果があるのは確かです。会社は自らの特徴を最大限アピールすることで会社を認知してもらい、消費者に対していいイメージを獲得しようとします。
法人格の本質
会社のことをよく法人と呼びます。法人とは、人間と別の存在である法律上人格が認められたもののことをいいます。会社を設立すると会社の代表者である「人間(自然人)」と、法律上で人と認めた「法人」ができるのです。そして「人間(自然人)」と「法人」の両者が有する法的地位を指すのが法人格です。
会社(法人)は人間と同様、ひとつの人格を形成していると見ることができます。法人の人格としての本質は主に3つの学説(否認説・擬制説・実在説)があります。現在、否認説は否定されていますが、擬制説、実在説は合理性があり、哲学的な議論があります。
擬制説と実在説の差異について、清華大学法学院教授の馬俊駒先生は以下のように論文に掲載しています。
法人擬制説
人だけが法的人格を有し、団体は事実上の権利主体として活動を行うものの、最終的にはやはり個人に還らなければならず、たとえ団体が人格を有することを承認するとしても、それは個人の人格の団体への拡張であり、それゆえ法人格は法律により擬制されたものである。
法人実在説
法人団体の人格は独立したもので、個人とは異なる法的人格であり、それらはいずれも法律が承認する範囲内において、法律の抽象化および擬制の結果である。
- 引用:「法人人格論(馬俊駒・市川英一訳)」
法人格というものの、本質的な解釈は幾つかの学説があるものの、法人が個人のような一定の人格を有していると解釈することは合理性があると思います。
人格はその人のもつ性格、個性、行動様式すべてをさしています。
人間の人格については、今まで多くの文芸作品でその言葉が取り上げられ、わたし達は肌感覚で人格の意味を感じとっています。
しかるにある時この醜態を先生に発見せられ、一喝「お前はなぜそんな見苦しい事をする。」と怒鳴られたので、原稿投函上の迷信は一時に消失してしまった。蓋けだし自分が絶対の信用を捧ぐる先生の一喝は、この場合なお観音力の現前せるに外ならぬのである。これによって僕は宗教の感化力がその教義のいかんよりも、布教者の人格いかんに関することの多いという実際を感じ得た。
〜「おばけずきのいわれ少々と処女作(泉鏡花 )」
お母さんだけが、いつの場合にでも、子供のほんとうの味方でありましょう。そのお母さんが、もし子供の人格を重んぜず、打算的に自分の都合だけしか考えなかったら、果して、どうであろうか。お母さんは、どの意味からいっても子供にとっての太陽であります。
〜「お母さんは僕達の太陽(小川未明)」
人間に人格があるように、会社(法人)にも人格があります。しかし、会社の人格について、わたし達はそれを肌感覚で感じ取ることができません。
会社の人格について、次回のブログで書いてみたいと思います。