写真:渡部 洋一
地図を見る北京を、中国を代表する世界遺産「故宮」は、かつて「紫禁城(しきんじょう)」と呼ばれた世界最大の宮殿です。建設開始は明の時代の1406年。1421年に南京から北京へと遷都して以降、20世紀の清朝滅亡まで歴代皇帝が暮らす居住空間であり、政治の中心地でした。
現在は故宮博物館として広く一般に公開されています。清朝最後の皇帝を描いた映画『ラストエンペラー』の舞台であり、ロケ地となったことでも有名な北京屈指の観光名所です。
写真は、故宮の入口をくぐるとすぐに見える太和門(たいわもん)。この巨大な建造物が、皇帝のいる建物へと通じるあくまでも「門」でしかないという事実が、世界最大の宮殿・故宮のスケールの大きさを物語っています。
写真:渡部 洋一
地図を見る太和門をくぐると、そこにあるのは広大すぎる前庭。故宮が政治の中枢であった時代、この広場に無数の役人が集まり、太和殿(写真左奥)にいる皇帝からの指示や命令を受けていました。重要な国事発令が行われていたこの広場に立つと、映画『ラストエンペラー』の即位シーンを思い起こす人も多いことでしょう。かつて役人たちが集った場所は、現在多くの観光客が集まる人気スポットとなっています。
写真:渡部 洋一
地図を見る世界遺産に登録され、北京を代表する観光名所である故宮(紫禁城)。その中でもメインスポットと言えるのが、現存する中国最大の木造建築である「太和殿(たいわでん)」です。故宮の中心部に位置するこの太和殿は、まさしく中華世界の中心とされていました。創建は明代の1420年。その後数度にわたり焼失し、現在の建物は清の時代の1695年に再建されたものです。
白大理石で作られた三段の基台の上に建ち、基台を含めた高さはなんと約35メートル。総建築面積は2377平方メートルという途方もないスケールです。そして、中国でよく見られるオレンジに輝く瑠璃瓦や、外壁に施された極彩色の装飾も見事な美しさ。その大きさに、その美しさに、超大国中国を治める皇帝の権威が表れた太和殿は、世界最大の宮殿・故宮の象徴とも言える建造物です。
写真:渡部 洋一
地図を見る太和殿の内部で必見なのが、「宝座」とも呼ばれる玉座です。9頭の龍が彫られたクスノキで出来たこの玉座に、歴代の皇帝たちが座っていました。
玉座真上の天井には、「軒轅鏡」と称される銅の球が吊るされています。天命を受けていない者が玉座に座ると軒轅鏡が落下しその者を殺してしまうと言われており、こちらも必見です。なお、例え天命を受けていても一般観光客が座ることは禁止されていることを申し添えます。
写真:渡部 洋一
地図を見る故宮を囲む城壁の四隅には、「角楼」と呼ばれる楼閣が設けられています。防衛のための見張り施設であり、地面からの高さ約27メートルとなかなかの迫力です。
写真は、故宮北東を守る角楼を堀の外から撮影したもの。風の無い日には堀の水が鏡となり、角楼の勇姿を鮮やかに映し出します。故宮の内部を見学した後は、外からじっくりと角楼を眺めるのもおすすめです。
かつて中国の歴代皇帝が暮らした宮殿であり、中華世界の中心地であった世界最大の宮殿「故宮(紫禁城)」。現在は世界遺産にも登録されている、北京を代表する観光名所の歴史と見所をご紹介しました。故宮は街の中心部に位置し、アクセスも抜群。北京を旅行するなら、絶対に足を運んでおきたい必見スポットと言えるでしょう。
あなたも是非、故宮を訪れてみませんか?そこは、広大な中華帝国の象徴であり、歴史ロマンの詰まった皇帝たちの夢の跡として、今も多くの旅行者を魅了し続けています。
故宮(紫禁城)への行き方、入場料、営業時間等の情報は、記事下部にある「MEMO」よりご覧いただけます。
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(2025/2/10更新)
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