写真:Hiroko Oji
地図を見るルーマニア中央に位置するトランシルヴァニア地方は、カルパティア山脈とトランシルヴァニア・アルプス山脈に囲まれ「森の彼方の国」という意味合いを持っている地域。その中心となるのが、周囲には鬱蒼とした森が広がる中にひっそりと佇む町「シギショアラ」です。1999年、「シギショアラ歴史地区」として世界遺産に登録されました。
写真:Hiroko Oji
地図を見るシギショアラの歴史は、1191年にハンガリー王の命で、ドイツからザクセン人が辺境への定住と防御のために入植したころから始まります。14世紀には王たちの定住地となって自治都市としての特権を与えられ、その後の数世紀は、重要な軍事要所・商業中心地としての役割を担い、繁栄の絶頂期を迎えました。シギショアラ歴史地区は、その頃の小さな中世の城塞都市としての姿を残しているのです。
写真:Hiroko Oji
地図を見る丘の上に広がる町並みですので、町中には石畳の坂や階段が巡らされています。他の町に比べると観光地化されていない素朴な町並みが魅力で、ルーマニア人が必ずというほど観光客にお薦めするのが、このシギショアラなのです。
写真:Hiroko Oji
地図を見る城塞都市としての名残は、防衛機能を担った防壁と見張り塔にもしっかり残されています。見張り塔として造られた当時は14の塔がありました。その代表的なものが「時計塔」で、シギショアラのシンボル的存在です。自治権を獲得して自治都市となったことを記念し、14世紀半ばに建造されました。高さ64メートルの塔の屋根に備わっている4つの小塔は、裁判の自治権を象徴するもの。時計の横には、毎正時になると動き出す人形たちの窓も設置されています。屋根の色鮮やかなタイルは、19世紀になってから貼られました。
写真:Hiroko Oji
地図を見る塔を伴った石造りの城壁は一部分だけですが、2階部分の通路が木製の手摺と共に良い状態で保存されています。写真は高さ25メートルの「ブリキ職人の塔」。下は四角形ですが、上部は多角形という特徴があります。
写真:Hiroko Oji
地図を見るこちらの塔は、靴職人の塔。14塔あった塔ですが、現存するのは9塔のみ。「鍛冶屋の塔」「仕立屋の塔」「肉屋の塔」「皮革加工職人の塔」「縄職人の塔」等があって、それぞれギルド(職人組合)の名前が付いています。これらからも、当時盛んだった商工業がどんなものだったかわかりますね。
写真:Hiroko Oji
地図を見る町を見下ろす丘の上にある山上教会へは、このような木製の屋根付き階段を上っていきます。
教会そばには、現在ドイツ語学校となっている山上学校があり、冬場に礼拝や通学のために丘に登る人々のことを考慮してこの屋根が付け足されました。1642年に出来た当初は300段ありましたが、1849年に現在の175段に。半分近くになったとはいっても、この階段を上っていくのは大変です。しかし、素晴らしい眺めが待っていますので、頑張って上ってくださいね。
写真:Hiroko Oji
地図を見る山上教会は正式には聖ニコラウス教会といって、14世紀の建造。トランシルヴァニア地方のゴシック建築の中で代表的なものに挙げられています。教会内には14世紀から15世紀の美しい壁画が残されています。また、ザクセン人が住んでいた周囲の村々から集められたルーテル派の壁画が展示され、博物館としての役目も担っています。残念ながら内部は撮影不可となっていますので、しっかりと目に焼き付けておいてくださいね。
写真:Hiroko Oji
地図を見る教会前からはトランシルヴァニア地方の素晴らしい眺望が得られます。
<山上教会の基本情報>
住所:Piata Cetatii,Sighisoara
アクセス:シュコリィ通りの南西端から木造階段を上ってすぐ(徒歩5分)
開場時間:10:00〜17:00
写真:Hiroko Oji
地図を見る吸血鬼ドラキュラ伝説のドラキュラモデルとされるワラキア公ヴラド・ツェペシュは、実在の人物。彼が生まれた家であり、父ヴラド・ドクトルが幽閉されていたというのが、現在「カサ・ヴラド・ドクトル」という名前のレストランとして残されています。時計塔前の広場に面した黄色い壁の建物で、入り口には「竜」の意味をもつ父の名を示すように、竜をあしらった看板がぶら下がっています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る内部には中世の武具やヴラド・ツェペシュの像なども展示されていて、クラシカルな調度品が置かれています。壁にはヴラド・ツェペシュと共にシギショアラの町並みも描かれています。
2階奥のバー脇の階段を上って3階へいくと、ヴラド・ドラクル誕生の部屋の見学もできます。何やら怪しげな赤い照明の部屋の中央には、ヴラド・ドラクルの棺桶が置いてあり・・・。この後のお楽しみは、どうぞ実際に体験なさってください。
写真:Hiroko Oji
地図を見るレストランへは、写真のナイトと棚の右側にある扉から入ります。赤く塗られた壁とドーム状の天井が中世らしいムード満点のこのレストランでは、伝統的なルーマニア料理が中心ですが、ドラキュラに因んだ料理も楽しめます。赤のパプリカをドラキュラの心臓、トマトスープを流れ出た血に見立てた「ドラキュラの心臓」、ベリーやさくらんぼの赤いフルーツで作ったソースが血をイメージしている「ドラキュラ」と名の付いたデザートのクレープなど、他のレストランでは味わえない一品が味わえます。
<カサ・ヴラド・ドラクルの基本情報>
住所:Str. Cositorarilor nr. 5, Sighisoara
電話:+40-265-771596
営業時間:夏期 10:00〜22:00、冬期 12:00〜21:00
休業日:月曜日
ルーマニアは日本人にはマイナーな国。都市名シギショアラなんて言っても「それ、どこにあるの?」と尋ねられるのが常だと思います。ところが一歩足を踏み入れてみると、とても長閑で、陽気で温かい心を持った人々が大勢!少しでも困っていそうな旅行者を見かけると、必ず声をかけたり、重い荷物運びを手伝ってくれたりと、温かさがプラスされて、また訪れたくなるほどです。
特にシギショアラのような大都会から離れた町ではなおのこと!決して裕福とは言えなくても、心の豊かさはピカイチです。シギショアラの歴史地区は中世にタイムスリップしたような雰囲気で、落ち着いた散策が楽しめます。
2018年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/5更新)
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