テトラエチル‐なまり【テトラエチル鉛】
テトラエチル鉛
テトラエチル鉛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/03 07:53 UTC 版)
テトラエチル鉛 | |
---|---|
![]() |
|
![]() |
|
tetraethyllead |
|
別称
TEL
|
|
識別情報 | |
CAS登録番号 | 78-00-2 |
RTECS番号 | TP4550000 |
|
|
特性 | |
化学式 | C8H20Pb |
モル質量 | 323.44 g/mol |
外観 | 無色の粘性液体 |
密度 | 1.653 g/mL (25 °C) |
融点 | -136 °C |
沸点 | 84-85 °C (15 mmHg) |
水への溶解度 | 不溶 |
屈折率 (nD) | 1.519 |
構造 | |
分子の形 | 四面体 |
双極子モーメント | 0 D |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | ICSC 0008 |
主な危険性 | 毒性、可燃性 |
NFPA 704 | |
Rフレーズ | R61 R26/27/28 R33 R50/53 R62 |
Sフレーズ | S53 S45 S60 S61 |
引火点 | 346 K - 73 °C - 163 °F |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | テトラフェニル鉛 |
その他の陽イオン | テトラメチルシラン テトラメチルスズ |
関連物質 | 塩化鉛(II) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
テトラエチル鉛(テトラエチルなまり、英: tetraethyllead、略称:TEL)は、化学式が Pb(CH3CH2)4 で表される有機鉛化合物である。四エチル鉛。 エンジンのノッキングを防ぐアンチノック剤として用いられ、類縁体のエチルトリメチル鉛、ジエチルジメチル鉛、テトラメチル鉛と合わせて四アルキル鉛、アルキル鉛とも呼ばれている。 また、日本においては毒物及び劇物取締法第二条によって指定されている毒物の一種である。
性質
特異臭を有する無色の液体で、揮発しやすい。日光に対して不安定で、徐々に分解・白濁する。引火性があり、金属に対しても腐食性を持つ。蒸気として、そして皮膚から吸収され易く、強い神経毒性を有する[1]。
合成
クロロエタンと鉛-ナトリウム合金との反応によって合成される[1]。
テトラエチル鉛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 15:01 UTC 版)
「エチルコーポレーション」の記事における「テトラエチル鉛」の解説
テトラエチル鉛は、ガソリンのアンチノック剤としての添加物として生産・使用されている。 米国では一般にTELと呼ばれており、「エチル」やTELという用語はLead(鉛)という言葉を避けるために用いられている。現在はエチルコーポレーションとのマーケティングおよび販売の契約に基づき英国に本社を置くイノスペック(旧オクテル コーポレーション)が提供している。イノスペックはテトラエチル鉛提供会社として最後に残った一社である。イノスペックでは現在、TELを「オクタン添加剤 (Octane Additives) 」と呼んでいる。 Great Lakes Chemicalから1997年に分離したオクテル コーポレーションが、2006年1月に社名を変更してイノスペックとなった。いまだ「オクテル」の方が通りがよい。イノスペックは2005年度$528百万米ドルの売上の企業で、23ヶ国に1,000人の従業員を擁する。イノスペックでは、現在でも有鉛ガソリンを必要としている国々に有鉛ガソリン供給を保障しつつ無鉛化への移行を支援しているとしている。TEL販売は182百万米ドルで、ほとんどが開発途上国向けである。1970年代のTELは2億米ドル市場だった。売上の2/3は無鉛ガソリン系やスペシャルティケミカルの商品で、鉛製品はすでに衰退期と認識し、社名も鉛を連想させるOctelから変更された。1997年の分離時には5つあったTEL工場も現在は1つになった。しかし利益に対する貢献はいまだ高く、イノスペックでは売上高総利益率50%に上る。 テトラエチル鉛は、鉛汚染による土壌汚染、大気汚染、水質汚濁の主要原因とされており、人体にも非常に有害である。鉛汚染は過去1世紀で625%以上に増加しているが、その主要原因はテトラエチル鉛を含んだ有鉛ガソリンによる汚染である。エチル コーポレーションは過去にはガソリンからのテトラエチル鉛による過度な危険性を否定していた。しかし一方で、テトラエチル鉛は現時点においてもアンチノック材としての効果は高く最も安価である。しかし有鉛ガソリンではガソリン車の排気ガス浄化のための三元触媒が使えないため、環境問題に取り組む国々では有鉛ガソリンの自動車使用が規制されているが、そのような国々でも自動車以外での使用が認められているところも多い。 テトラエチル鉛は「エチルフルード (Ethyl Fluid) 」としてガソリンに混合され供給された。エチルフルードとはテトラエチル鉛と抗鉛化物質である1,2-ジブロモエタンや1,2-ジクロロエタンを混合したものである。清掃など他の用途でガソリンが使用される場合に、容易に判別でき誤用を避けるため、エチルフルードには添加を判別するための着色がなされていた。 テトラエチル鉛 (Tetraethyl lead):61.45% 1,2-ジブロモエタン (ethylene dibromide):17.85% 1,2-ジクロロエタン (ethylene dichloride):18.80% 不活性物および染料 (Inerts & Dye):1.90%
※この「テトラエチル鉛」の解説は、「エチルコーポレーション」の解説の一部です。
「テトラエチル鉛」を含む「エチルコーポレーション」の記事については、「エチルコーポレーション」の概要を参照ください。
テトラエチル鉛と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
- テトラエチル鉛のページへのリンク