ニコンF5
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「ニコンの銀塩一眼レフカメラ製品一覧」の記事における「ニコンF5」の解説
1996年(平成8年)10月発売。ニコンで初めて多点測距のオートフォーカスが採用されるとともに色情報と被写体までの距離を計算に含めて測光する「3D-RGBマルチパターン測光」が採用され測光精度の向上が図られた。F一桁機で初めて露出調整などの操作がコマンドダイヤル式になり、軍艦部に液晶表示部を備えたのも特徴。 3D-RGBマルチパターン測光が使用できるレンズは、DタイプレンズとGタイプレンズのみで、Ai、Ai-s、Ai-P、改造Ai、DとG以外のオートフォーカスレンズを装着した場合には機能しない。レンズがCPUレンズの場合はRGBマルチパターン測光として機能し、それ以外は中央部重点測光として機能する。コマンドダイヤル式のためオートフォーカスレンズ使用時には1/2段や1/3段の露出調節が簡単確実にできるようになった。ニコンF4と違いデフォルトでは非Aiレンズを装着することはできないが、メーカーがAi爪可倒化改造を受け付けており、改造を施すことにより非Aiレンズをマウントし、絞込み測光にて撮影できる。 他の機種ではオプションであることが多いバッテリーパックをボディと完全に一体化し、さらにモーターを効率よく配置するなどして最高8コマ/秒の連続撮影が可能となっている。電池が消耗してもフィルムの巻き戻しができるよう手動巻き戻しクランクも併設されている。 同時期のニコンF100とカタログ上のスペックが変わらないことから価格差に疑問を持つユーザーも多かったが、シャッターモニター機能を搭載しておりシャッターが切られる度に速度を測って誤差を修正する機能が付いている等スペックに現れない部分への配慮や強化はされている。また、シャッター耐久はニコンF4の10万回から15万回へと引き上げられた。コマ送りをニコンF100のように電気的に送るのではなく機械的に送り、非常に高い精度を確保していることもニコンF5の強みといえる。 NASAのスペースシャトル計画でも船内・船外で使用されている。1999年にはスペースシャトルディスカバリーに潤滑剤以外ほぼ市販品そのままのニコンF5が、2001年にはコダックによりデジタルカメラ仕様に改造されたニコンF5本体とニッコールレンズなどが搭載された。 マニュアルフォーカスの性能はニコンF4と同等とされていたが、実際にはファインダー倍率がやや低い。これをユーザー側から指摘されたため、ニコンがカタログ表記のスペックを改めるという一幕もあった。 1999年(平成11年)デジタル一眼レフカメラ「ニコンD1」シリーズが発売されると報道関連での主力は急速にデジタルへと移行し、2006年(平成18年)をもって生産が終了した。
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