フレームリレー
フレームリレー
【英】Frame Relay
フレームリレーとは、信頼性の高い物理回線を前提として、パケット単位で、簡素化された、コネクションレスのデータ交換を行う通信方式のことである。
パケット交換を行う通信方式には、ネットワーク層で動作するX.25がある。これは、誤り制御やフロー制御を行うことにより、高い信頼性を確保するものである。しかし、デバイスの改善などにより、基盤となる物理回線の品質が格段に向上するに従い、より簡素化された通信方式でも十分に通信の品質を保つことが可能となった。フレームリレーは、OSI参照モデルにおける第2層(データリンク層)で動作し、X.25の持つ誤り制御などの手順が大幅に簡素化されている。このことにより、フレームリレー方式は、エンドツーエンドの伝送において、より高い効率を達成することができる。
フレームリレーでは、ひとつのフレームが局内で一意に識別できるIDを付与され、仮想回線(VC)を形成する。各セッションは、同一の物理回線を用いながら、論理的には仮想的な専用回線を持つのと同等の状態で通信を行うことができる。この、仮想回線を実現するための識別子はDLCI(データリンク接続識別子)と呼ばれている。なお、仮想回線には、相手が常に固定されているPVC(相手先固定接続)と、接続ごとに接続相手を指定するSVC(相手先選択接続)とがある。
1980年代頃までの通信は、メタルケーブルを用いるアナログ回線が中心であり、物理回線レベルでの品質はさほど高いとはいえなかった。その状況でX.25のプロトコルは有効であったと言える。フレームリレーは、1990年代にサービスとして登場した。デジタル回線のような、誤り発生率も低い高品質の回線の普及を背景として、X.25より高性能な回線を安価に提供することができた。さらに時代が進み、2000年代になると、IPベースの仮想プライベートネットワーク(IP-VPN)や広域イーサネットなどが登場し、フレームリレーに替わって普及を見せている。
フレームリレー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/09 19:19 UTC 版)
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フレームリレー(英: Frame Relay; FR)とは、誤り訂正・再送信手順や、送受信順序制御などを簡素化し高速化をはかったパケット通信方式である。伝送路の信頼性の向上と端末の高機能化にともない、1990年代にサービス開始された。一般のパケット通信と比べ、「高速通信が可能」「低コスト」といった利点がある。一方で、欠点として「信頼性の高い伝送装置や伝送路が必要」「誤り訂正・再送信手順や送受信順序制御などが端末装置に必要」といったことが挙げられる。
イーサーネットをベースとした回線の普及に伴って利用者数を減らし、日本では2011年3月31日をもってサービスが終了した[1]。
関連項目
- 仮想回線
- 統計多重化
- X.25
- Layer 2 Tunneling Protocol
- Asynchronous Transfer Mode
- 網・網インタフェース
- VoIP
- イントラネット
- ルーター
- 交換機
- フレーム (ネットワーク) - OSI参照モデルのデータリンク層における基本的な伝送単位。
- Frame Check Sequence(FCS) - フレームチェックシーケンス
脚注
- ^ “法人向けデータ通信サービス スーパーリレーFRおよびスーパーリレーCRの提供終了について”. NTTコミュニケーションズ (2010年9月30日). 2016年2月6日閲覧。
外部リンク
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