地球の衛星
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 06:49 UTC 版)
「月以外の地球の衛星」も参照 1846年、フランストゥールーズ天文台のプチ (Frédéric Petit) は、複数の流星の軌道を研究した結果、地球の衛星軌道(近地点高度11.4km、遠地点高度3570km、公転周期2時間44分)に乗っている流星を発見したが、軌道決定の不確実さなどから疑問視された。この衛星を、ドイツ語で「小さな欠片」という意味のクラインヒェン (Kleinchen) と呼ぶ者もいる。ジュール・ヴェルヌのSF小説『月世界へ行く』(『月世界旅行』後編)にはこの衛星(軌道要素はやや異なる)がプチの名と共に登場する。 1898年、ハンブルクのヴァルテマット (Georg Waltemath) は、月の軌道の揺らぎから、地球からの距離103万km、直径700km、公転周期119日、会合周期177日の第2の衛星を仮定し、その衛星の太陽面通過を予言した。そして、予言どおり太陽面通過を観測したと主張し、さらにその年のうちに、第3の衛星を予言した。しかし、太陽面通過だとされた現象は実際は黒点であった。700kmもの大きさがあるなら簡単に観測できるはずだが、直接観測がまったくなされないことからも、この衛星の存在は否定された。科学では否定されたが占星術の立場から1918年、占星学者セファリアル (Sepharial) は、この衛星は実在するが真っ黒だから観測できないのだとして、リリス (Lilith) と名づけた。ダークムーン (dark moon) と呼ぶ者もいる。 1950年代から70年代にかけて地球と月のトロヤ点にコーディレフスキー雲 (Kordylewski cloud) が観測されたといわれる。その後は観測例がほとんどないため、実在を疑われている(実在するとしても観測は極めて難しいと考えられている)。
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「地球の衛星」の例文・使い方・用例・文例
- 月は地球の衛星である
- 月は地球の衛星だ。
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