ひねつ 比熱 specific heat
比熱
比熱容量
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計量単位
比熱容量の計量単位は次のようになっている。
- SI文書では、ジュール毎キログラム毎ケルビン(JK-1kg-1)[3]
- 計量法上の法定計量単位としては、ジュール毎キログラム毎ケルビン(J/(kg・K) )または、ジュール毎キログラム毎度(J/(kg・℃) )の両方が規定されている[4]。また単位記号もこれに合わせて2つが規定されている[5]。
なお、「ジュール毎キログラム毎ケルビン」と「ジュール毎キログラム毎度」の計量法での定義は次のようになっており、同一である。
定義:一キログラムの物質の温度を一ケルビン上げるのに要する熱量が一ジュールであるときの比熱容量
1グラム当たりの比熱容量(J/(g・K) または J g−1 K−1 )は、計量法に規定されていない非法定計量単位であり、取引・証明に用いることはできない。
水の比熱容量(18℃)は、4184 J/(kg・K)である。カロリーを用いると、1 cal/(g・K)であるが、カロリー(cal)は、SI単位ではなく、計量法上も栄養学などの特殊な分野における熱量の計量のみに用いることができる単位であるので、比熱容量の計量単位として取引・証明に用いることは1999年10月以降は禁止されている[6][7]。
熱力学と比熱
熱力学では1モルの物質の熱容量、モル熱容量(単位はJ mol−1 K−1)を用いることが多い。モル熱容量は分子熱とも呼ばれる。単位質量あたりの熱容量(比熱容量)にモル質量(単位はkg mol−1)を掛ければ、モル熱容量になる。たとえば25℃の水 (液体)ではcp = 75.291 J mol−1 K−1である。
圧力一定の条件下で測定した場合は定圧比熱、体積一定の条件下で測定した場合は定積比熱と呼ばれる。
定圧比熱
定圧比熱(ていあつひねつ)とは、圧力一定の条件下で単位量あたりの物質を単位温度変化させるのに必要な熱量。特に1モル当たりの定圧比熱を定圧モル比熱あるいは定圧モル熱容量と呼ぶ。
一般的記号は、cp で表し、単位量あたりのエンタルピーの変化量の傾きを表す。
比熱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 05:24 UTC 版)
アインシュタインは1911年に、固体の比熱の温度変化を説明するためにアインシュタイン模型を提唱した。この模型では、結晶の各原子が独立に一定の振動数で振動する振動子とした。これに量子仮説と組み合わせて、固体の比熱が高温でに古典値に、低温では急激に0になることを示した。しかしアインシュタイン模型は、格子振動を単純化しすぎていた。 この拡張として振動子間に相互作用を入れて結合系の基準振動を考える試みは、翌年の1912年にボルンとフォン・カルマンによって、また同じ1912年にデバイによっても行われた。ボルンとフォン・カルマンは、実際の固体の構造は、原子が周期的な三次元配列に並んだものであると仮定した格子模型を示した。このときは格子模型はまだ仮説でしかなかった。結晶によるX線回折の発見はFriedrich、Knipping、ラウエによって1913年に公にされ、格子理論が確固としたものになった。格子理論では固体中の原子は格子振動しており、それぞれの格子振動は波数ベクトル、振動数、かたよりの性質によって特徴づけられる。これは系の基準モードであって、そのエネルギーは同じ振動数をもつ調和振動子の場合と同じように量子化される(このとき生じる量子がフォノン)。そうすると結晶にただ一つの振動数が付随するのではなくて、ある複雑な仕組みで原子間の力に依存する振動数分布が存在することになる。 一方でデバイ模型では固体を離散的な格子でなく、連続弾性体とした。これはボルン-フォン・カルマンの理論ほど正確なものではなかったが、単純さの点では優れていた。デバイ模型では、基準モードは等方的な連続媒質中の波動のように取り扱われ、離散的な点の位置に質量が集中しているような系での波動とは扱わない。しかしこのことにより振動数分布が非常に簡単になり、アインシュタイン模型と同じように定積熱容量CVはすべての結晶に対してT/θDの同じ関数になる。このθDはデバイ温度である。デバイによって導入された振動数分布は結晶の実際の振動数分布の特性をかなり取り入れているため、多くの実験事実とよく合っていた。弾性波(音波)の量子(フォノン)の集まりを考えることで、低温におけるT3則と高温のデュロン・プティの法則が導かれた。 理論と実験結果との比較によってデバイ理論の欠点が注目されるようになったのは1930年代である。ボルンとフォン・カルマンの理論を用いてその正しい説明を与えたのがBlackmanである。
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