特性要因図
特性要因図
別名:フィッシュボーンチャート,フィッシュボーン図
【英】fish bone chart, ishikawa diagram
特性要因図とは、ある問題点について、影響を及ぼす原因を系統立てて表した図のことである。品質管理における「QC7つ道具」の一つとして数えられている。
特性要因図は、「店の売り上げが低下した」、「Webサイトのアクセス数が減った」など、企業や団体が抱える問題の解決策として、会議などで用いられることがある。
特性要因図を作成するには、まず、水平の矢印線を描き、その右側に問題点を書く。次に、水平の矢印線に向けて斜めに矢印線を描き、始点付近に要因を書く。さらに、斜めの矢印線に向けて矢印線を描き、始点付近に要因の要因を書く。
特性要因図では、ポイントとなる要因を見つけ出して問題が解決できる場合がある。
特性要因図は、図の形が魚の骨に似ていることから、「フィッシュボーンチャート」、「フィッシュボーン図」とも呼ばれる。なお、特性要因図は、日本の品質管理の先駆者として知られている石川馨博士によって考案された。
参照リンク
「OR・IE」の解説 - (ITパスポート試験対策)
とくせいよういんず 特性要因図 cause and effect diagram
特性要因図
特性要因図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/02 17:10 UTC 版)
特性要因図(とくせいよういんず)は、1956年に石川馨[1]が考案した、特性と要因の関係を系統的に線で結んで(樹状に)表した図をいう。魚の骨図(フィッシュボーン・チャート、fishbone diagram)、Ishikawa diagramとも呼ばれる[2]。
- 特性 (effect) - 管理の成績・成果として得るべき指標(不良率・在庫金額など)
- 要因 (factor) - 特性に影響する(と思われる)管理事項
- 原因 (cause) - トラブルなど特定の結果に関与した要因
原因とは、多くの場合に、適切な管理を欠いたためにトラブルを引き起こした要因を指す。また、原因と理由 (reason) との違いは、前者が客観的な因果関係であるのに対し、後者は判断・行為の根拠を指すことである(例:「Aが原因となって結果Bが発生した」との判断の理由はCである)。
目的別の使い分け
管理用特性要因図
予防目的で管理を必要とする事項をすべて列挙したもの。実績前なので現場データがなく、もっぱら知識・経験・理論から心配事を網羅的かつトップダウン(演繹的)に列挙する。対策はすべての要因に講じる。
解析用特性要因図
既に発生したトラブルの現場データ(特徴)を収集し、データからボトムアップ(帰納的)に要因を推定し、列挙して対策を講じる。次の二つの型がある。
- 原因確定型 - 原因を明確にしてから対策を講じる。
- 対策先行型 - 疑わしいものに対策を講じていく。
逐次対策を講じていく中で効果が出れば、その要因が原因であったことが検証される。
対策先行型には2種類のアプローチがある:
- 溜込み型
- 原因の候補である要因を特性要因図に溜め込んだ後で、検証方法を検討する。疑わしい要因が多数あって、実験計画法で影響力を検証する要因、対策を講じて効果を検証する要因など、取扱いを分けることが多い。
- 逐次実施型
- 疑わしい要因を発見し次第に対策を講じる。一つの要因でも対策を講じて結果を見れば、効果があってもなくても、そのことがデータ(ヒント)になって真の原因を推定しやすくなる。したがって、QCサークルで最も多用されるが、この型のQCストーリーが欠落していて適切に指導されないので、虚偽発表の一因となっている。
誤りやすい点
原因を追跡すると称して管理用-特性要因図を作成する指導例が多く見られる。その場合、要因をブレインストーミングやなぜなぜ分析によって多数列挙する二重の誤りを犯すことが多い。ブレインストーミングやなぜなぜ分析は、特性要因図を作成するための手法ではないことに注意を要する。
系統図との関係
特性要因図は「魚の骨図」 (fishbone diagram) とも呼ばれ、当初はそのような形に作成された。しかし、要因を増やしたり要因に対する対策や効果を付記したりするスペースを予め用意するのは難しい。そこで、実用上は表形式で作成することが多い。これは、新QC七つ道具の系統図法の一種と考えられる。
脚注
- ^ 石川 馨『品質管理入門』QCテキスト・シリーズ 1、日科技連出版社、1956年。
- ^ Microsoft At Home マガジン
外部リンク
特性要因図 (cause and effect diagram)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 19:03 UTC 版)
「品質管理」の記事における「特性要因図 (cause and effect diagram)」の解説
問題抽出に用いられるツール。ある問題に対して関連する原因の洗い出しを行うため、問題(特性)とその発生の原因(要因)だと考えられる事項とを矢印で結んで図示したもの。その図の形状が魚の骨の形に似ていることから、別名魚の骨図 (fishbone diagram) とも呼ばれる。特性要因図は工程の更なる能力の向上を検討する場において有効な手法であり、ブレインストーミングの要領で要因を抽出して洗い出した要因の関連性を特性要因図に表し、アプローチを行う要因の順位付けを行う為の資料とする。生産工程の現場では、ある問題に対する要因として4M(人 (huMan) ・機械 (Machine) ・材料 (Material) ・方法 (Method) )を大骨とし、その4点に対して更なる要因の洗い出しが行われる。5M(4Mに測定器・測定方法 (Measure) を加える)もある。 要因を列挙するには、当初から単にブレインストーミングで列挙しても無意味である。過去の知識や現場データから推測される要因だけでは解決しない場合に、初めてブレーンストーミング等の手法を用いる。 目的によって以下のように使い分ける: 管理用特性要因図(管理すべき要因の列挙目的) 予防目的で管理を必要とする要因を全て列挙したもの。実績前だから現場データがなく、専ら知識・経験・理論から心配事を網羅的にトップダウンに列挙する。対策は全ての要因に講じる。 解析用特性要因図(原因の探索目的) 現に発生したトラブルの現場データ(特徴)を収集し、データから推定した要因を列挙して対策を講じる。この場合、原因を明確にしてから対策を講じる場合と、疑わしいものに逐次対策を講じてゆく場合がある。
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