ミネルバ【Minerva】
ミネルバ【MINERVA】
MINERVA
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 01:00 UTC 版)
「はやぶさ (探査機)」の記事における「MINERVA」の解説
詳細は「ミネルバ (ローバー)」を参照 MINERVA(ミネルバ)は、当初、はやぶさへの搭載が予定されていたアメリカ航空宇宙局 (NASA) のローバーがキャンセルされたため、それまでゆっくりと開発されていたものが、急遽準備された日本の小型ローバーである。プロジェクトマネージャーの川口淳一郎が日本独自の子探査機を搭載することを提案し開発された。名称は "MIcro/Nano Experimental Robot Vehicle for Asteroid" の略である。カウンターバランスの代わりに搭載することが前提となっており、分離機構を含めた質量を1kg以内に収めることが条件となっていた。NASAのJPLによってMUSES-CNの開発が進められていたことから正式なプロジェクトとしては扱われておらず、開発費は技術研究費用から捻出された。民生品や宇宙仕様品の廃棄部位の使用、宇宙仕様品のメーカーによる無償提供などで開発コストが大幅に削減されている。当初は正4面体の頂点にハエタタキのような構造を取り付け、それをモーターで駆動するという方式が考えられたが、駆動部位の露出や消費電力の面で問題があり、最終的には完全密閉の正16角柱形の外形に、内部のモーターを駆動してその反力でホップするという方式に決定した。 MINERVA仕様寸法直径 120mm × 高さ 100mm(正16角柱) 質量591g CPUSH-3 (SH7708)(約10MIPS) メモリROM:512KB RAM:2MB フラッシュメモリ:2MB OSμITRON アクチュエータMaxon Motor AG製 DCブラシ・モーター × 2(ホップ用、旋回用) ホップ能力最大9cm/s(速度可変) 電力供給太陽電池:EMCORE製 最大2.2W(距離:1AU) 電気二重層コンデンサ:エルナー(株)製、容量:25F、電圧:4.6V 通信9.6 kbps(通信可能距離:20km) 搭載センサCCDカメラ SONY PCGA-VC1 × 3(ステレオ + 単眼) フォトダイオード × 6 温度センサ × 6 打ち上げ後2年を経て2005年11月12日に探査機から分離されたが、分離時に探査機が上昇中であったため、イトカワに着陸することはできず、史上最小(当時)の人工惑星となった(後にIKAROSのDCAM2により更新)。分離後の状態は良好であり、探査機の太陽電池パネルを撮影した他、通信可能限界距離を越え通信が途絶するまで18時間に渡ってデータを送信し続けた。
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