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100冊から書店を開業できる取り組み、トーハンが開始へ…「無書店自治体なくしたい」

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 全国で街の書店減少が続く中、国内2大出版取次の一つ「トーハン」(東京都新宿区)が、従来より大幅に少ない100冊程度から書店を開業できる取り組みを始めることに決めた。本を運ぶ回数を減らすなどしてコストを削り、契約先の店は少額での運営が可能になる。トーハンの近藤敏貴会長は「本と読者の接点を増やし、無書店自治体をなくしたい」と話す。今秋から説明会を始める予定だ。

 書店を開くには、出版界の卸業者に当たる出版取次を通して本を仕入れるのが一般的だ。出版取次は、各出版社が出す本や雑誌を自社の倉庫に集約し、書店やコンビニなどにトラックで運搬する。大手出版取次はある程度の運搬量がなければ利益が出ず、小規模な書店の開業希望者に対応できないのが課題だった。

 新たな取り組みは「 HONホンYALヤル 」と名づけられ、運搬の対象から毎日刊行される雑誌を除外して単行本に絞り、店に本を運ぶ回数を週1回程度に抑える。100冊程度から数千冊の本を置く店の需要にも対応するという。取引開始の際に連帯保証人や保証金を求めることもやめ、出店のハードルを下げる。

 韓国や米国などでは近年、独立系書店と呼ばれる個性的な品ぞろえの書店が活気づく。日本でも、小さな取次などを使って独立系書店を営むことは可能だが、幅広い本を扱うトーハンが対応すればより利便性が高まる。飲食店や公共施設などの空きスペースに本を置く副業的な書店が生まれることも期待される。

 日本出版インフラセンターによると、全国の書店の総店舗数は2013年度の1万5602店から、23年度は1万918店となり、減少が深刻化している。出版文化産業振興財団の調べでは、全国の市区町村の4分の1に書店がない。

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