【香山リカ】35歳の女は婚活で需要ゼロ?「モテない私」に絶望する前に
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「35歳になり、婚活での需要はほぼゼロ」というトピがあった。転職して年収アップ、趣味を充実させようとしているけれど、「自分の家族、子どもがほしかった」という気持ちが消えない、というボヤきがつづられていた。
当然ながら「あきらめるのはまだ早い」というレスが並んだ。その中で目を引いたのは、自身は37歳で結婚したものの、それにとらわれないように促すようなレスだった。「趣味を充実させるのもいいと思います。自分で自分を好きになれるように、自己肯定感が上がるような趣味がいいかと思います」というアドバイスに、深くうなずいた。
そう、トピ主さんの場合、問題は婚活を続けるかどうかより、まず自分に自信がなくなり、自己嫌悪の思いでいっぱいになっていることだ。そういうときは一度、婚活から目を離し、趣味でも資格取得でもとにかく何か打ち込めるものを探すのがよい。それは現実逃避ではなく、婚活で疲れた心のリハビリのようなものだ。
いちばん良いのはパンづくりなど手を動かす趣味、病院ボランティアなど誰かのためになる活動だ。熱心にやっているときは自分の年齢や結婚のことなどを忘れられるし、終わった後は大満足できることだろう。
そうやって「私もけっこうやるな」という経験が積み重なると、「もう35歳だから」といった引け目は消える。そして、もしかしたら明るい気持ちでまた婚活に励むかもしれないし、別の道を見つけて進むことになるかもしれない。
まず、自分を好きになれなければ、誰かに出会ってもその人を好きになることなんてできない。そして、結婚のことだけにとらわれて自分の良さが見えなくなっていては、ぴったりの人を探すこともできない。それを忘れないでほしい。(精神科医 香山リカ)
【紹介したトピ】
▽結婚を諦めたいです。いい方法ありませんか?