20年140試合勝てずFIFA最下位のサンマリノ、欧州NLで歴史的2勝挙げ昇格
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サッカーの世界ランキングで最下位となる210位のサンマリノが、欧州の各代表チームが競うネーションズリーグ(NL)で、一番下のリーグDからCへの昇格を決めた。国際サッカー連盟(FIFA)によると、約20年間、140試合勝てていなかった小国は、9~11月に2勝を挙げる「快挙」に沸いている。
人口3・3万人の小国
3チーム総当たりによるリーグDの1組開幕節では、9月にリヒテンシュタインをホームで破り、2004年以来の白星を挙げた。1分け1敗だったジブラルタルとの2試合を経て、今月18日には、アウェーでリヒテンシュタインに3―1の逆転勝ちを収め、リーグD1組首位と昇格が確定した。イタリアメディアによると、後半に3得点を挙げての勝利に、チェボリ監督は「我々の意図を選手らは理解し、よく反撃してくれた」と目を細めた。
サンマリノは四方をイタリアに囲まれた、人口約3万3000人の山あいの国。近年は若手育成に注力し、スタジアムなどの改善にも取り組んできた。指揮官が起用した若手選手らが期待に応え、今回の歴史的な2勝につながった。
次に挑むのは、2026年ワールドカップ(W杯)欧州予選。数少ないプロ選手というFWナンニは、「目標を高く持ち続けないといけない」と説く。中世に天然のとりでを生かして独立を保ったとされるサンマリノの選手らは、21世紀のサッカー界でも気骨ある戦いぶりを見せている。(パリ支局 平地一紀)