米Microsoft(マイクロソフト)は2024年5月21日(米国時間)、年次イベント「Microsoft Build 2024」で、Windowsパソコン上で稼働する生成AI(人工知能)アプリケーションを開発する新機能を発表した。Satya Nadella(サティア・ナデラ)CEO(最高経営責任者)は「WindowsをAIアプリ構築にとって最高のプラットフォームにする」と語った。
マイクロソフトはBuild開幕の前日である2024年5月20日(米国時間)に、生成AIアプリがデバイス上で稼働するパソコン「Copilot+PC」や、同社が開発した生成AIアプリを発表していた。
今回発表した新機能は、Windowsの生成AIアプリをサードパーティーが開発できるようにするもの。生成AIアプリ開発用のソフトウエアライブラリーなどを提供する「Windows Copilot Runtime」や、Copilot+PCに搭載する小型言語モデル(SLM)である「Phi Silica」などが発表された。
パソコン上でRAGが可能に
Windows Copilot Runtimeは、マイクロソフト自身が開発した生成AIアプリ群や、パソコン上で稼働するAIモデルの機能をAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)経由で呼び出せる「Windows Copilot Library」などで構成する。ナデラCEOは「APIを介して40以上のモデルが直接利用できる」と述べた。
Windows Copilot Libraryから呼び出せるマイクロソフト製の生成AI機能としては、画像を加工する「Windows Studio Effects」や、音声を自動的にテキスト化した上で翻訳する「Live captions translations」、画像中の文字を認識する「OCR」、5月20日に発表した新機能でユーザーによるWindows上での操作を記録して検索可能にする「Recall」などがある。これらは2024年6月から利用できる。
このほかWindows Copilot Libraryには、様々な種類のデータをベクトル化する「Vector Embeddings」や、パソコン上のデータに基づいた回答をAIに生成させる「RAG(検索拡張生成)」、テキスト要約機能などが追加される予定だ。