「eSIM」に対応するスマートフォンが増えている。eSIMとは、端末内に組み込まれたSIMを指す。そこに通信事業者が発行する情報を取り込む。スマホに挿入するICカードの「物理SIM」と同じだが、オンラインで申し込め、最短で当日から使い始められることが利点だ。
NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、楽天モバイルの4社は、いずれもeSIMを提供している。オンライン申し込み専用の「ahamo」(ドコモ)「povo」(KDDI)「LINEMO」(ソフトバンク)もeSIMに対応する。申し込み当日から利用可能。大手キャリアの通常プランを一般的な物理SIMで利用し、格安プランのeSIMを追加して、1台で2回線を使い分けることも可能だ。
大手キャリアの回線を借りてサービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)においても、eSIMへの対応が進んでいる。ここでは2023年1月時点でeSIMを利用できるMVNOを紹介し、それらを利用するメリットを検証する。
IIJmioは「音声付き」と「データ専用」プランを選べる
インターネットイニシアティブ(IIJ)の「IIJmio」は、eSIMを2019年7月から提供している。SIMフリースマートフォン向けとして国内初だった。従来はデータ通信のプランだけを提供していたが、2022年10月25日から音声通話が可能なeSIMも提供している。オンラインで本人確認ができるeKYCに対応し、申し込み当日から使い始められる。
IIJmioでは「ギガプラン」と「データプラン ゼロ(eSIM)」でeSIMを利用できる。主力の「ギガプラン」では、音声通話対応の「音声eSIM」(au回線)と、データ専用の「データeSIM」(ドコモ回線)から選べる。それぞれの月額料金(税込み、以下同)は下記の通り。
- ●ギガプラン 音声eSIM
- 2GB:850円
- 4GB:990円
- 8GB:1500円
- 15GB:1800円
- 20GB:2000円
- データ追加料:220円/1GB
- 通話料:11円/30秒(通話定額のオプションあり)
- ●ギガプラン データeSIM
- 2GB:440円
- 4GB:660円
- 8GB:1100円
- 15GB:1430円
- 20GB:1650円
- データ追加料:220円/1GB
なお、ビックカメラがIIJと提携して提供する「BIC SIM」も同じ料金体系である。
IIJmioは、月額165円で回線を維持でき、必要なデータ量をその都度購入する「データプラン ゼロ(eSIM)」も提供している。
- ●データプラン ゼロ(eSIM)
- 月額料金:165円
- データ追加料(最初の1GB):330円
- データ追加料(2GB~10GB):495円/1GB
データプランは主回線のデータ量が足りなくなった場合だけ使うなど、ときどき使う人に適したプランだ。一定のデータ量を毎月利用する人はギガプランのほうが得だ。
mineoは通信速度を選ぶプランもeSIMに対応
オプテージの「mineo」は、2022年8月からeSIMを提供している。同社の料金プランは、毎月に利用できるデータ容量で選ぶ「マイピタ」と、最大通信速度を選びデータ量に制限がない「マイそく」がある。eSIMはどちらのプランもすべて対応している。