富士通と帝京大学沖永総合研究所は2024年10月18日、生活習慣の改善やヘルスケアリテラシーの向上に寄与するUX(ユーザーエクスペリエンス)プラットフォームの共同研究を開始すると発表した。同プラットフォームは、XR(クロスリアリティー)と空間コンピューティングを用いて体内の様子をバーチャル(仮想)空間上に再現する。生活習慣改善が求められる受診者に健康課題が潜んでいる箇所への理解を深めてもらい、健康意識や行動変容に与える影響などを検証する。
UXプラットフォームは、主に生活習慣の改善が求められる受診者と保健師の面談時や面談後に活用する。共同研究では、受診者の内臓や骨格などをバーチャル空間上に表示できるプロトタイプを開発したり、生成AI(人工知能)を搭載したヘルスケアサポーターのアバターを作成したりする。保健師との面談時は、バーチャル空間上に表示した患者の体内状態を見ながら自身の健康への理解を深める。面談後には受診者が生活習慣改善に関してアバターに質問できるという。
共同研究の期間は、2024年10月18日から2025年1月31日までの予定。富士通は初期プロトタイプの開発サポートやUX/UI(ユーザーインターフェース)シナリオ作成などを手掛ける。帝京大学沖永総合研究所は医学的専門知識の提供や保有する生体臓器データを用いた初期プロトタイプの開発などを行う。富士通は今後について「共同研究の結果を基に、生命保険を販売する企業や健康意識の高い個人などに向けてビジネス展開できるかを検討する」(広報)という。