データセンターのラックに設置するサーバーは,ラックマウント型サーバーの薄型化やブレード・サーバーの登場で,1ラック当たりに搭載するサーバー台数が増加している。それに比例して,ケーブルの本数も相当な量になっている。仮に高さが42Uのラックに1Uのサーバーをすべて設置すると,少なくとも各サーバーに電源ケーブル,ネットワーク・ケーブル,ストレージ接続用ケーブルの3本があるので,100本を軽く超える計算になる。実際にはそこまでの多くないまでも,冗長用のケーブルも多数あるため,似たような状況に陥っていることは多いだろう。
ケーブルが多くなると,熱の問題が出てくる。多数のケーブルがサーバーの排気口を塞いでしまうからだ(写真)。背面から熱気を排出できなくなるので,サーバーは空気の循環が行えず,熱による障害につながる可能性が高まる。サーバーの背面にケーブルを垂らしてはいけないのである。
しかし,必要があって使っているケーブルを減らすことはできない。その場合の対処方法が,十分な奥行きのあるラックを選ぶことだ。奥行きがあれば,そのスペースを使って,ケーブルがサーバーの排気口をふさがないように横にまとめるといったことができる。
一般的に奥行き900mmのラックが多いが,現在の薄型で奥行きのあるサーバーのケーブル・スペースを十分確保するのは難しくなっている。最近では奥行きが1070mmや1200mmといったラックもあるので,ケーブル・スペースが少ない場合はこれらを利用するのも有効である。