IT関連のモノの使い方が変わってきたようです。「メーカーの正規サービス」に対する見方が変わりつつあるというのでしょうか。昨日、今日で読んだ2本の記事で改めてこのことを感じました。

 1本目は「法改正で端末修理体制が一変へ 第三者修理を可能に、“黒船”も襲来中」です。法的にはグレーというものの、携帯端末について「メーカー保証外の修理を行う、いわゆる“勝手修理ショップ”が駅周辺などに目立ってきた。携帯電話事業者や、米アップルなどの端末メーカーは、独自の端末補償サービスを展開している。“勝手修理ショップ”は、これらのサービスよりも割安な値段で修理対応することで、徐々に人気を集めつつある」と記した一節が目に飛び込んできました。

 もう1本は「『SAP、オラクルの半額で保守』、米リミニ・ストリートが日本に本格進出」です。SAPやオラクルが提供するERP(統合基幹業務システム)などの主要製品を、正規サービスの半額で保守する企業が日本に上陸したことを伝える記事ですが、興味深く感じた一節があります。以下に引用します。

 「来日した米リミニ・ストリート 最高経営責任者 取締役会長のセス・ラビン氏は、『米オラクルが保守サービスで得ている費用の利益率は92%。ケースによっては94%だ』と説明。独SAPや米オラクルが提供する主要製品に関して、保守費用が高すぎると指摘した」。

 正規サービスではありませんから、製品のメジャーバージョンアップなどはできませんが、法規制やバグなどには対応するのだそうです。既に同社のサービスを使い始めた日本企業も登場していると言います。

 IT事業者からすれば、正規の修理や保守サービスは顧客満足度を向上させるだけでなく、確実な収益源でもあります。携帯端末というハードでも、業務用ソフトでも価格を重視して、第三者のサービスを選ぶ利用者が増えている。この意味は大きいと感じています。