Technical Knockout にウィキペディアにはバイアスの問題があるを追加。Jackie Koerner の文章の日本語訳です。
先月の第10章に続き、Wikipedia @ 20 の第21章を訳してみた。
翻訳の目的は、前回書いた通り、これを読んだ Wikipedia に精通した人が Wikipedia @ 20 の翻訳プロジェクトを立ち上げてくれないかという期待があってのことである。
前回の「ロールプレイングゲームとしてのウィキペディア、もしくは一部の大学人がウィキペディアを好きではない理由」(「ウィキペディア20年イベントに参加してみました」によると、北村紗衣さんが取り上げてくださったみたい。ありがとうございます)のテーマである「アカデミズムでウィキペディアが軽んじられる問題」が、今回の文章にも含まれているのは興味深い。
さて、今回の文章の主張にワタシはすべて賛成というわけではないことは明記しておく(著者も「多くの点で読者の考えと異なるものだったかもしれない」と書いている通り)。が、ウィキペディアに限らずインターネットコミュニティ全般に関して重要なトピックを扱った文章なのは間違いないと思うのだ。
今回訳した文章の著者について書いておくと、Wikipedia @ 20 の共同編者なのだけど、彼女のサイトの Projects のページを見ても、その仕事を一言で表現するのは難しい。アナリスト?
「バイアスはウィキペディアの問題」のところなど、いわゆる三人称単数の they を使っていると解釈して訳したが、そのあたりを含め訳のおかしいところに気づいたらご指摘ください。
せっかくなので Wikipedia 関係のニュースをいくつか取り上げておく。
コミュニティの行動規範(Code of Conduct)を制定したのも、今回訳した文章で力説される問題と関係しているはずである。
5年ほどウィキメディア財団の CEO を務め、Wikipedia @ 20 にも第22章(最終章)Capstone: Making History, Building the Future Together を寄稿している Katherine Maher が4月に退任する模様。お疲れ様です。