就職活動「楽」、4年連続トップ=漢字1文字で表現-民間調査 (時事通信)
就職活動を「楽」と感じた学生が4年連続トップだったのに対し、内定を取れず「苦」とした割合も急上昇-。就職活動を漢字1文字で表現するアンケート調査から、大学4年生などの間にも「格差社会」が広がっている実態が浮かび上がった。
就職情報サイトを運営する「毎日コミュニケーションズ」が実施した調査の結果によると、就職活動を表す漢字は「楽」が5.7%で4年連続トップ。「楽に内定がもらえた」「いろんな人に出会えて楽しかった」などの回答が目立った。
昨年4位(2.6%)だった「苦」は4.7%で2位に急上昇し、苦戦したとの理由が増加。3位以下には「迷」「動」「悩」といった定番が続いた。
同社の調査では、全体的には昨年より内定が得にくくなった半面、1人当たりの内定保有率は6月末時点で0.26社増の2.29社となった。
同社は「内定が一部の学生に集中し、2極化している」と分析している。
なんといいますか、景気云々もさることながら価値観の画一化が進んでいるのでしょうね。会社が求める人物像がひたすらに画一化しつつある、どこの会社も同じような人間を追い求めているのでしょう。だから一部の「会社好みの」人が片っ端から内定を得る一方で、会社から好かれないタイプの人はいくらやっても内定が出ないわけです。
会社の価値観に何の疑問も持たずに染まれる人は引く手数多のモテモテですが、逆に会社の価値観に馴染めない人はどこからも「いらない子」として白眼視される、そうやって2極化が進むところもあるでしょうか。要領を心得て「楽」にハーレムを築き上げる人もいれば、必死で自分を偽っても拒まれるばかりの苦汁を嘗める人もいるようです。
「就職活動を漢字1文字で表すと」調査結果を発表(マイコミ)
回答で最も多かったのは『楽』(5.7%)で、回答数は年々増加し、4年連続1位となりました。「思っていたより楽に内定がもらえた」という声もある一方で、「いろんな人に出会えて楽しかった」「自分自身が成長していく様子を楽しめた」など、今年は「楽(ラク)」よりも「楽しい」という意味で回答した学生が多く見られました。
まぁ、お幸せなことです。就職活動を楽しいと思える感覚が私には理解できませんが、その辺は人それぞれです。私にとって嫌なことを何の苦にも思わない人もいるでしょうし、私にとっては何の手間でもないことが他の人にとっては大変な苦痛である場合もあります。私にとって会社と付き合うのは苦痛ですが、それを楽しいと思えるようならそれは幸せなことでしょう。
そんな会社と相思相愛の人はさておき、増加傾向にある会社から嫌われる人たちはどうすべきなのでしょう? 画一的な選考基準から漏れた人にもそれぞれの見所はありそうですが、そんなものは誰も評価してくれません。何か得意なことがあっても、周囲がそれに何の価値も見いだしてくれない場合は往々にしてあるもので、結局は「自分が得意な何か」ではなく「会社が求める何か」で勝負することを強いられる、そこで「会社が求める何か」に強みを持つ人ならば「楽」にも見えるでしょうし、逆に弱みを持つ人ならば「苦」にもなるのでしょう。
会社側に言わせれば人材不足なんだそうです。実際のところはどうでしょうか? よく求職者に向けて「選り好みしなければ職はいくらでもある」なんてことが言われるわけですが、それなら雇用者側にも「選り好みしなければ人材はいくらでもいる」と言うのが筋です。しかし、誰もそんなことは言いません。人材不足を嘆いてみせることで、責任を求職者の側に転嫁しつつ、みんなで一様な人材を奪い合っているのが昨今の就職戦線と言えます。今後も景気の動向によって求人倍率は増減するでしょうけれど、企業のモノサシは1種類だけ、その1種類のモノサシで合格とされた人の奪い合いが激化することはありそうですが、不合格にされた人にとって春は遠そうです。