サイ(動物)

登録日:2021/01/18 Mon 18:43:00
更新日:2025/03/03 Mon 19:17:52NEW!
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サイとは奇蹄目サイ科に分類される草食動物である。


概要

漢字では「犀」と書き、英語ではrhinoceros(ライノセラス)、或いは単にrhino(ライノ)ともいう。
体高はシロサイで190㎝、インドサイで200㎝にもなり、体長はシロサイが400㎝、インドサイで420㎝、
体重は2トンから2.5トンと草食動物ではゾウカバに並んで重く、尚且つ巨大である。
現生する種は5種のみでその内2種がアフリカ、3種がアジアに細々と生き残るのみだが、かつては生息数も広く、多くの種類が存在した。
だが環境破壊や角を目的とした乱獲によって絶滅してしまい、残る5種も絶滅の危機に瀕している
ちなみに中国ではこうした絶滅のせいで、東南アジアで再確認されるまで「古い文献で『犀』なる生物は確認できるが誰も実物を見てない」という状況になり、
「革を最上級の鎧・角を杯にした」という文献の記述などから、牛の上位種と誤解され「犀牛」という呼称が生まれたりもした。

全ての種が鎧のような硬い皮膚に覆われ、1~2本の角が鼻から生えているが実はこれは骨ではなく、が集束して硬質化したもの*1
人間で言えば魚の目や爪などと同じで、物凄く頑丈な皮膚の一部と思えばよい。
なので闘争などで折れてしまっても、長い期間を必要とするものの、根本が残っていれば再生できるという。
一方で骨ではないので分解されやすく、化石として残ることはあまりない。ただし、頭骨には角の土台となる瘤があり、この「土台」から角の大きさを推測できる。

首の筋力が強く、平均して300㎏もあるアフリカスイギュウを軽々と突き上げてしまうほど。
聴力や嗅覚は発達している一方、非常に目が悪いという弱点があり、その関係で動くものを敵と認識する習性がある。
その為、むやみにサイの周りで動き回るのは危険であるという。プロレスラーで例えるならスタン・ハンセンみたいなものか。
天敵はライオンだが硬い皮膚は牙や爪を通しにくいので逆に殺してしまうことも多く、ライオンもよっぽどの空腹か相手が幼獣or何らかの理由で極度に弱っている状態でない限りまず襲わない。
動物最強議論においては決まって上位に位置づけられるアイドル的存在である。
もっとも成獣でも世界最大の陸上動物であるアフリカゾウには到底かなわないし、インドではトラに捕食されてしまうこともあるとのこと。

古くからサイの角は薬として重宝されていたのだが、毛が集束したものということから察せられる通り、実際は薬効も何もない代物、つまり迷信である。
煎じて飲んだとしても、人間の爪の垢でも事足りてしまうのだ。
…にもかかわらず、現在でも一部でその迷信が信じられており、密猟が絶えない。
特に東南アジアが需要のほとんどを占めており、その末端価格は同量のコカインや金を上回るほど*2
また稀に誤解が見られるが、ハンコには使用されない*3
近年では密猟対策として、密猟者のいる地域ではあらかじめサイの角を切り落とす*4角に毒を注入しておく*5という処置も進んでいる。


主な種類

シロサイ

アフリカに生息する2種のサイのうちの一種。
サイの仲間では最大の種類とされており、体長400㎝、体高190㎝になる。
英語ではWhite rhinoと呼ばれるが、どちらかというと灰色でそんなに白くはない。
シロサイと名付けられた理由は諸説あるが、現地人がWijd Rhino(オランダ語で幅広いの意)と言ったものを、英語話者が白を意味する英語のwhiteと間違えてしまった…というものが最も有名。
しかしこれは根拠と呼べるものがない俗説で、真相は闇の中である。
主に地面に生えている草を食べるため、口が四角く平たい形をしているのが特徴。

クロサイ

アフリカに生息する2種のサイのうちのもう一種。
こちらもどちらかといえば黒というより灰色だが、こちらは上記のシロサイの白に対する意味でクロサイと名前が付けられたらしい。
食性もシロサイと異なり木の葉や枝が主で、それらを摘まみやすいように口の形も尖っている。

インドサイ

アジアに生息する3種類のサイのうちの一種で、なおかつ現存するサイの仲間では最も北方に棲む種類。
最大の個体は体高200㎝、体長420㎝とかなり大型になる種類でシロサイよりも大型化するとも。
名前の通りインドからネパール、バングラデシュにかけて生息しており、角は一本だけでそれほど発達しない。
その代わり犬歯が発達しており、外敵に対しては角による突き上げよりも噛み付きを多用するという。
諸説あるがなんとユニコーンのモチーフとも言われているとか(後述)。

スマトラサイ

アジアに生息する3種類のサイのうちの一種。
かつては東南アジアに広く生息していたが多くのサイに共通して環境破壊や角を目的とした密猟で激減し、
現在はインドネシアのスマトラ島にのみ生息する状態になってしまった。
サイの仲間では最小で最大でも体高150㎝、体長318㎝ほど。角は二本。
現生のサイでは唯一全身に長い毛を持ち、絶滅したケブカサイとも近縁の関係にある。

ジャワサイ

アジアに生息する3種類のサイのうちの一種。
こちらもスマトラサイ同様に東南アジアに広く生息していたがやはり環境破壊や密猟で激減してしまい、
ジャワ島のウジュン・クロン国立公園内に生息するのみとなってしまった。
上記のスマトラサイと異なり、角が一本だけでインドサイを小さくしたような外見が特徴で
最大記録は体長は320㎝、体高175㎝、体重は2tと草食動物では大型だがサイにしては小柄である。


サイをモチーフとしたキャラクター

ゾウやカバと並ぶ大型の草食動物であり、鼻に大きな角を生やした外見という類を見ない姿で動物園でも人気があることから、よくキャラクターのモチーフとしても使われる。
鎧のような硬い皮膚を持つことから、重戦車のような大柄なキャラという傾向が強い。
キャラ名等 作品名等 備考
辟寒大王 西遊記
辟暑大王
辟塵大王
鉄のサイ 魔神ガロン
ザイゴン ウルトラマンA ヤプールの超獣
サイギャング 仮面ライダー
サイタンク 仮面ライダーV3
サイダンプ 仮面ライダー(新)
サイ怪人 仮面ライダーBLACK
ズ・ザイン・ダ 仮面ライダークウガ
仮面ライダーガイ 仮面ライダー龍騎
メタルゲラス
エラスモテリウムオルフェノク 激情態 劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト 厳密には絶滅種のエラスモテリウムがモチーフ。
ライノセラスアンデッド 仮面ライダー剣 設定のみ。
劇中では♣4・RUSHのラウズカードとして既に封印済み。
オトロシ 仮面ライダー響鬼 リクガメとの合成
ライノイマジン 仮面ライダー電王
ライノセラスファンガイア 仮面ライダーキバ
ガメル 仮面ライダーOOO
仮面ライダーオーズ サゴーゾコンボ サイの他、ゴリラゾウもモチーフに含まれている。
エイサイヤミー エイとサイの合成ヤミー
仮面ライダーダイモン 劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア クロサイの他、タコとオオムカデもモチーフに含まれている。
サイモズー/サイコング 大戦隊ゴーグルファイブ
サイシンカ 科学戦隊ダイナマン
サイカンス 超電子バイオマン メカジャイガン
グリーンサイ/相川純一 超獣戦隊ライブマン
サイファイヤー
サイラギン 地球戦隊ファイブマン
鋼星獣ギガライノス 星獣戦隊ギンガマン
ガオライノス 百獣戦隊ガオレンジャー
テンサイキック 爆竜戦隊アバレンジャー
ゲキチョッパー 獣拳戦隊ゲキレンジャー 重戦車タイプではなく、角を象徴したチョップの名手という珍しいタイプ
獣拳神サイダイン
サイヘッダー 天装戦隊ゴセイジャー
忍者イッカクサイ 手裏剣戦隊ニンニンジャー
ジュウオウザワールド 動物戦隊ジュウオウジャー サイの他、オオカミクロコダイルもモチーフに含まれている。
キューブライノス
グレイサイキング 人造人間キカイダー
グレイサイボーグ 人造人間キカイダー THE ANIMATION
サイモンスター 宇宙刑事ギャバン
サイダブラー ダブルモンスター第1号
サイノイド 機動刑事ジバン
サイクルマン 宇宙鉄人キョーダイン ダダロイド士官
ライノスレイブ 幻星神ジャスティライザー
ヘッドストロング 戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010
ライノックス ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー
サイドス トランスフォーマーギャラクシーフォース
ロックステディ ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ
ノヴァライノス 獣装機攻ダンクーガノヴァ
タイロン/ライノボーン マジンボーン
ライノサラス 機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で… サイの名を冠する兵器
ブラックライモス ゾイド
ヘビーライモス
サイクロプス壱式 サイクロプス壱式はエラスモテリウム型
サイホーン ポケットモンスターシリーズ 純粋なサイではなく爬虫類且つ怪獣寄り
サイドン
ドサイドン
ドドンゴ ゼルダの伝説 近年では竜のモンスターだが、初代においてはサイのモンスターだった
ランビ ドンキーコングシリーズ
サイおとこ/ライノソルジャー/ライノスキング ドラゴンクエストシリーズ
タスクライノ/ビッグホーン FINAL FANTASY Ⅱ
サイゴン メタルマックス2同R
スクリュー・マサイダー ロックマンX3
ボスコーン ベルセルク サイを象ったを着ている
獄卒獣ミノリノケロス ONE PIECE 動物系悪魔の実の能力者
サイのキメラアント HUNTER×HUNTER
ザ・犀暴愚 キン肉マンⅡ世
バラモン 真・異種格闘大戦
大魔王サイブス かいけつゾロリ
おやすみなサイ ACジャパンのCM
シロサイ けものフレンズ
クロサイ
インドサイ
スマトラサイ
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サイレスラー ワンパンマン

サイと名がつく動物

英語ではrhinoceros Beetle(ライノセラス・ビートル)という。その角がサイを思わせるのが由来。
仮面ライダー555』に登場するカブトムシをモチーフとしたオルフェノクの名前が「ライノセラスビートルオルフェノク」なのはこれに由来。
また、実際にサイカブトという種類もいる。


余談

そのゴツイ姿からは一見想像できないが、実はウマと同じ奇蹄目であり、よく見ると耳や尻尾の形はウマ・・・というかロバに似ている。
ヨーロッパに伝わる角のある馬の姿をした幻獣・ユニコーンのモチーフではないかとも言われている。
角が薬として重宝されていたことを考えれば、あながちあり得ない話でもない。
東方見聞録に書かれたユニコーンは恐らくアジアのサイのこと。
ちなみに、「ユニコーンの角」として売買されるのは、サイよりはイッカクの牙の方が一般的だそうな。
どちらもある種のに対して変色するため、毒の検知に用いられたようだ。




追記・修正は突進で車を破壊してからお願いしてくだサイ。

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最終更新:2025年03月03日 19:17

*1 ウシやシカの角には骨が通っている

*2 この手の迷信で乱獲された動物は多く、たとえばトラの乱獲も「骨が薬になる」という迷信が一因(毛皮など他の理由もあるが)。また、粉砕した恐竜の化石が「龍の骨」として漢方処方されるなどの事例もあるという。

*3 ハンコに使われるのは象牙や水牛の角である。

*4 ただし、この手の場合、ライオンなどの他の野生動物に襲われやすくなる事もあるという。

*5 サイの角には血が通ってないので、注入した毒が体に回らない。