蔑天骸

登録日:2025/01/19 (日) 08:28:04
更新日:2025/02/08 Sat 08:15:28NEW!
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この世においては剣こそは強さの証。何よりも揺るぎない真理の在り処。
生と死を分かつ絶対的な真実を形にしたものなのだ。
故に俺は至高の剣を、最強の剣を求め欲する。
富も、栄華も、権力も、全て浮世の泡沫に過ぎぬ。
滅びの力をこの手に掴む、圧倒的な喜悦に比べればな。





蔑天骸(ベツテンガイ)とは、特撮人形劇『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』シリーズの登場人物の一人。


CV:関智一
キャラクターデザイン:源覚
二つ名:森羅枯骨(シンラココツ)


概要


初登場は第1期の1話。第1期のメインヴィランであり、護印師の丹兄妹が守る鍛劍祠を強襲した強敵として登場。

東離にて悪名を轟かす盗賊集団「玄鬼宗」の頭首であり、東離の各地で略奪と殺戮行為を繰り返している。
根城にしているのは東離の外れにある魔脊山の頂上にそびえ立つ「七罪塔」であり、かつてはそこに住んでいた魔術師に仕える衛兵だったが、主人を殺した後、塔を乗っ取って玄鬼宗を結成した。
魔術師から盗んだ外法の魔術にも心得があり、死体から記憶を盗み取る魔術等を駆使する。

特に執心しているのは、東離各地に伝わる強い「剣」の蒐集。
「剣こそが強さの証であり絶対の真実」を信条としており、強さの象徴たる剣を暴力を含めた如何なる手段を以てしてでも手に入れようとする。
そうして略奪した剣の数々を、七罪塔の宝物庫にコレクションとして鎮座させている。

また、剣の腕前も達人クラスであり、蒐集した数々の剣をいとも容易く使いこなし、魔術と融合させた圧倒的な技で敵を打ち倒すことが可能。
凜雪鴉は「それほどの腕前があれば真っ当に地位を築けたはず」と疑問を投げたが、「剣の極意は秘めて隠して至るもの」と、自分の腕前を証明する必要はない、と絶対的な自信を持っている。

玄鬼宗の構成員は各地から誘拐し洗脳して育てた子供達で構成されており、恐怖により服従させているが、殘凶、獵魅、凋命の三人の幹部からは崇拝されている。

作中では、魔神・妖荼黎を打倒したとされる正真正銘の対魔族用兵器である神誨魔械・天刑劍を「最強の剣」だと睨み、それを手に入れることに執着する。
なお、凜雪鴉は天刑劍を彼から掠め取ることで彼の驕慢を打ち砕こうとしていたが……。



戦闘面


前述のように凄腕の剣術を有しており、様々な種類の違う剣を難なく使いこなせる。
その腕は、同じく剣に人生を捧げている殺無生ですら負けを悟るほど。
魔術と融合させた必殺技も使用し、凄まじい物量で敵を圧倒する。


必殺技


  • 役魔陣・萬象盡滅
剣氣のみならず呪法と霊圧を同時に叩きつける必殺技。丹衡に致命傷を負わせた。


  • 役魔陣・暴亂黄泉
自身の持つ最大の必殺技。本気の凜雪鴉にぶつけたが、相手は無傷であった。




活躍


第1期


鍛劍祠に封印されていた神誨魔械の一つ、天刑劍を我が物とするため、守護にあたっていた丹衡・丹翡兄妹の元を強襲。
妹の盾となった丹衡の攻撃をものともせず、逆に必殺技で彼に致命傷を与えた。
そして、兄の命令で丹翡は外へと逃亡し、丹衡は結界を張るも、蔑天骸は難なく彼を殺害し、天刑劍の柄を奪い取る。

その後は丹翡が持っていた天刑劍の鍔の奪取を部下に命じ、七罪塔に戻るも、命令された部下の殘凶が首だけになって戻り、二人の助っ人が丹翡に加わったと知る。
うち一人が、稀代の大盗賊・掠風竊塵こと凜雪鴉だったことから、事態を面白く感じるようになった。
凜雪鴉とは、かつて何度か身分を偽って知り合ったことがあるらしい。
一方、未知の人物である殤不患は邪魔者であると判断し、即刻彼を始末するよう御触書を出している。

やがて凜雪鴉達は、丹翡の悲願である蔑天骸討伐と、天刑劍の柄の奪還のために七罪塔への旅をする同行者を集め、魔脊山への船旅を始める。
魔脊山に上陸した丹翡一行を待ち伏せ、凄む丹翡に対して「この連中が義士だと?」と嘲笑い、煽るだけ煽って見物を決め込み退散した。

その後、凜雪鴉、殤不患、丹翡は闇の迷宮の直前で玄鬼宗の飼っていた魑翼を奪い、一足早く七罪塔へと到着。
それすらも蔑天骸は読み、彼らを兵士と共に待ち伏せていた。
凜雪鴉の幻術によって惑わされた丹翡は殤不患と戦った挙句凋命に倒され、彼女を人質に取られた殤不患も捕まる。
そして、凜雪鴉は天刑劍の鍔を手土産に蔑天骸に寝返り、蔑天骸はまんまと天刑劍の鍔も手に入れる……と思いきや、その鍔は偽物だった。
旅の途中で凜雪鴉は丹翡から鍔をくすね、偽物とすり替えていたのだ。

蔑天骸は、凜雪鴉を宴で歓待しつつ、本物の鍔の在り処を問い詰める。
だが凜雪鴉は、「鍔の在り処を金で売る」と取引を持ち掛けたため、その提案に乗ることにする。

この後、凜雪鴉を殺すために七罪塔へと強行突入した殺無生から勝負を挑まれ、全身全霊で相手し、彼を圧倒的実力差で打ち倒す。
同じく剣を極めた者への敬意を表し、殺無生を丁重に弔った。

表面上は凜雪鴉を客人としてもてなしていたが、それは表面上のものに過ぎず、あくまで掠風竊塵の計略を疑っており、彼の提案した「下山した後で金を確認した後隠し場所に案内する」方法も信じていなかった。
そこで、彼は同じく天刑劍を狙っていた元・旅の同行者である狩雲霄刑亥と取引し、彼らに鍔を取りに行かせる算段をつける。

自身は敢えて凜雪鴉の策略に乗り、部下達と一緒に柄を隠し持ったまま凜雪鴉(に変装した殤不患)と共に下山したが、そこで本性を現し、殤不患に襲い掛かった。
この時、殤不患はあまりに凜雪鴉の演技が下手くそで、誰がどう見てもバレバレであり、蔑天骸は「茶番」だと一笑している。

殤不患の始末を凋命達に任せ、天刑劍の鍔を奪った狩雲霄、刑亥と合流し、鍛劍祠に赴き、柄と鍔を使って、遂に天刑劍を手中に収める。



「最強の剣士」の驕慢


だが実は、天刑劍は妖荼黎を倒してはおらず、地中に封印しているだけに留まっていた。祠の封印も天刑劍ではなく妖荼黎の封印のためのものだった。
しかし、魔神の復活を謳い、この後どうするのか問う刑亥に対し、人間であるはずの蔑天骸は鼻で笑う。



フン、それには及ばぬ。
魔神復活、望むところだ。
乱世こそは剣の天下。俺の歩む道に相応しい。



彼は、魔神が復活して人間達が殺戮される状況を寧ろ好都合だと考えており、「一通り世界が破壊し尽くされ、秩序が崩壊し弱肉強食の世界になった後、魔神を天刑劍で倒して自身が救世主として崇められる」ことを理想とするとんでもない思想を持っていたのだ。
最早、彼の「剣」と「強さ」への執着は、自己完結している常軌を逸したものだった。


そして、それを陰で見張っていた凜雪鴉は、蔑天骸の驕慢は「最強の剣」そのものではなく、それに裏打ちされた「自分自身の剣術」であると見抜く。
そこで彼は、蔑天骸に対して剣で勝負を挑む。

それに対し「道化」だと嘲笑う蔑天骸だったが、凜雪鴉の剣術は想像を遥かに超えていた。
圧倒的な実力差を前にして追い詰められていく蔑天骸。凜雪鴉のようなふざけた男が剣で上回っているという事実もまた、彼に屈辱を与えていた。
更に凜雪鴉は、「剣の道はあまりにも奥深過ぎて極める事に嫌気が差した」「目指した場所が無双の強さというだけでお前は何もわかっていない」と、蔑天骸の掲げた理想を悉く踏み躙り、嘲笑う。

そして、互いの必殺技を打ち合った際に、自身の技が届かなかったばかりか、相手から手加減され、剣を仕舞われたという決着に呆然とする。

凜雪鴉にとって、「悪党を殺す」のではなく、「悪党をのさばらせ、からかって遊ぶ」ことが彼の愉悦。
人一倍驕慢のある蔑天骸は「極上の獲物」であり、今まさに屈辱に震える彼を見て、満足しつつあったのだ。

だが、屈辱に震える蔑天骸もまた、ただでは終わらなかった。
それは、自分に屈辱を味わわせた凜雪鴉に、最大の仕返し―――彼が愛してやまない「人間の絶滅」―――をすること。

蔑天骸は、天刑劍に魔力を込め、破壊してしまう。
折れて弾け飛んだ天刑劍に心臓を貫かれ、蔑天骸は倒れるが、その顔は、凜雪鴉に一矢報いたことにより満面の笑みに満ちていた。



どうだ、凜雪鴉……!己の遊び心のせいで世界が滅びる、気分は……。


それに対し、凜雪鴉は己の所業に絶望するかと思いきや、「自分の愉悦を持ち逃げした」蔑天骸への怒りに満ち満ちていた。




ふざけるな……。ふざけるなよ卑怯者!
敗北したなら屈辱に身を捩れ!悔恨の涙を流して見せろ!
貴様は何のために生まれてきた!?何のために私と戦った!?
ここまで手間をかけさせておきながら、肝心の褒美を持ち逃げしようとは……!

おのれ、おのれェェェッ!!



……と、蔑天骸は凜雪鴉によって驕慢を奪われたものの、彼を(意図は異なったが)激怒させ、一矢報いることに成功した。
その代償が世界の危機であったが、なんとかそれは殤不患が終結させ、一件落着となったのだ。




その後


蔑天骸や幹部達の死により玄鬼宗は統率力を失い、急速に勢力を失って、七罪塔はもぬけの殻となった。
しかし、頭首の仇を討つためにその残党が、刑亥に唆されて殤不患に戦いを挑むこともあった。

なお、蔑天骸のコレクションである宝剣の数々は、凜雪鴉がこっそり持ち去り、後に嘯狂狷を陥れるための小道具になっている。





余談


  • 脚本の虚淵玄氏、なおかつCVの関智一氏、そして「宝剣の蒐集家の悪役」という共通点から某英雄王との関連性が話題となっている。しかし、第1期であっさり退場したことから彼を惜しむ声も多いとか。


  • あの凜雪鴉を本気で悔しがらせた最初の人物としてファンの間では高い評価を得ている人物。凜雪鴉が愉悦に失敗した例は作中で数あれど、本気の怒りを見せたのは第4期まではこれだけである。






生きているうちに追記されるのも、荒らした項目を修正されるのも、俺にとっては大差ない。

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最終更新:2025年02月08日 08:15