メトロイド
【めとろいど】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ ディスクシステム
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発売元
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任天堂
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開発元
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任天堂開発第一部 岩崎技研工業
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発売日
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1986年8月6日
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定価
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2,600円
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配信
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バーチャルコンソール 【Wii】2008年3月4日/500Wiiポイント 【3DS】2012年2月29日 【WiiU】2013年8月14日/上記共に500円
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備考
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GBA『ファミコンミニシリーズ』第三弾 2004年8月10日発売
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判定
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なし
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ポイント
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中毒性の高い探索要素 秀逸なアイデアでシリーズの基礎を確立 主人公・サムスの意外な正体
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メトロイドシリーズ
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概要
ディスクシステム専用ソフト第5弾にして『メトロイド』シリーズの1作目で、当時の任天堂としては初めてとなるハードSFの世界観を持った作品。
ビームを用いた遠距離攻撃を主要にしたジャンプアクションゲームで、広大なダンジョンを進みながらアイテムや通路を探し当てる探索要素を大きなウリとしている。
ストーリー
コスモ歴20X5年。
外宇宙調査船が宇宙海賊に襲われ「惑星SR388」で発見された未知の生命体「メトロイド」のカプセルが奪われてしまった。
ベータ線の照射によって増殖する性質を持ち、惑星SR388を滅ぼすほどの力を持ったメトロイドが
海賊の手によって武器として使われるようになれば、銀河文明が破滅してしまう。
連邦警察は必死の捜索の末、海賊の本拠地「要塞惑星ゼーベス」を発見、総攻撃を行ったが、海賊の抵抗は強く、攻め落とすことはできなかった。
そこで、連邦警察は最後の手段として宇宙戦士をゼーベスの内部に侵入させ、要塞の中枢であるマザーブレインを破壊する作戦を決定。
選ばれた宇宙戦士が「サムス・アラン」である。
サムスは銀河中に名を馳せた凄腕の賞金稼ぎだったが、彼の正体や経歴は一切謎に包まれていた。
惑星ゼーベスは自然の要塞で、外側は特殊な岩に覆われ、内部が複雑な迷路になっている。
しかも、海賊の手によって様々な仕掛けや罠が張り巡らされており、至る所に不気味な海賊の手下が待ち受けている。
ゼーベスの侵入に成功したサムスはマザーブレインを倒し、銀河文明を救えるだろうか?
(説明書より要約)
評価点
探索要素
本作の最大の魅力かつ後のシリーズの基本ともなった大きな要素。それがシューティングアクション&「迷路探索」であり、これなしで本作を語るのはまず不可能と言えるほど重要な要素である。
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自然の洞窟を利用したエリア「ブリンスタ」とその「小ボスの部屋I」や、灼熱のマグマが噴出するエリア「ノルフェア」とその「小ボスの部屋II」に加え、要塞惑星ゼーベスの中枢「ツーリアン」の5つのエリアからなる広大な地下迷宮を探索し、マザーブレインを破壊するのが目的となる。
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マザーブレインはツーリアンの奥地で待ち構えているが、小ボスの部屋にいる2体のボスを倒さないとツーリアンには入れないようになっている。そのためサムスはゼーベス内を探索し、小ボスを倒せるだけの力を身に付けなければならない。
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進む事ができる道は目に見える場所だけとは限らない。各所には壊れる壁が点在しており、一見ただの壁や天井・床に見えても、特定の攻撃を当てるなどすると通れるようになる。全て見つけ出すのは至難の業で、しかもテキスト等によるヒントは皆無。しかし見つけなければ完全攻略は困難である。
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攻略情報もなしに自力で解いていくのはやや困難ではあるが、イベントに制御されるという感じは全くなく、迷宮としての自然な雰囲気を感じられたり、広大なマップの道を憶えたり、時にはマッピングしたりと手探りでの探索・攻略が楽しめる。
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本作はフラグ立てで通行止めしている場所は、ツーリアンへの関門のみであり、ミサイルで破壊できるゲート・ボムで破壊できる通路・地面などといったパワーアップによって通過できるようになる場所でマップが区分けされている。やろうと思えば多少無茶をしてでも強引に奥地へと進む事が可能。
サムスのパワーアップ
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サムスは射撃で大半の敵を倒すことになるが、標準武器のビームは最初は弱く、エネルギー(耐久力)も30/99しかない。
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しかし、ゼーベスのあちこちにはパワーアップアイテムが隠されており、それを取得していくことで強力な「ミサイル」を使えたり、ビームやジャンプ・耐久力が強くなっていく。
一部の扉や通路はそういったアイテムがなければ通れない場合が多く、「最初は行けずともパワーアップ後は進める」という、半年前の「ゼルダの伝説」と同じ定番が構成されている。
また、全てのアイテムを入手するためくまなく探索するか、手っ取り早く攻略するため必要最低限のアイテムだけ入手するかはプレイヤーの手に委ねられているので、好きなように攻略することが可能。
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本作で登場するパワーアップアイテム
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丸まり
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サムスが丸い球状に変形し「丸まり」状態になれる(『フュージョン』以降は「モーフボール」と呼称される)。 立ち状態では通れない狭い通路を通ったり、後述のボムを仕掛けられるようになる。本作のみ、丸まり状態のときにジャンプボタンを押すと丸まり状態が解除される。
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ハイジャンプ
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サムスのジャンプ力が1.5倍に上昇する。
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バリアスーツ
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サムスの防御力が増加し、敵からの被ダメージが半減する。
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エネルギータンク
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サムスの最大エネルギーが100増加し、さらにエネルギーも全回復する。 最大で6個まで=最大エネルギーは699まで増やせるが、それ以上手に入れても都度全回復はできる。
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ロングビーム
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ビームの射程が倍近く伸び、画面端まで届くようになる。
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アイスビーム
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当てた対象の動きを数秒間止められるビーム。止めた敵を足場にしてより高い場所に上ることもできる。 ツーリアンの特定のザコ敵を倒すのに必須。
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波動ビーム
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前方に正弦波を描いて飛んでいくビーム。 威力はノーマルビームの2倍、壁を貫通して進む、地を這う敵を立ったまま攻撃できる、といいことずくめ。 ノルフェアの奥地にある・アイスビームと併用できないという難点があるものの、それだけの強さを持つ武装である。
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ミサイル
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ザコ敵を一撃でバラバラにする威力を持つ実弾兵器。セレクトボタンでビームと切り替えて使用する。 赤・オレンジゲートはミサイルを数発撃ちこまないと開かず、一部の強敵は基本的にミサイルでしか倒せないので攻略には必須。 ゼーベス各所に「ミサイルタンク」が安置されており、それを取ることで最大所持数が5発増加。 また小ボスを倒すと大幅に増加する(75発増加)。上限は255発。
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ボム
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「丸まり」状態時にのみ使用できる爆弾。 立ち状態のサムスでは攻撃しにくい、地を這う敵を倒せる数少ない手段。 さらに一部のブロックを壊して隠し通路を開くのにも使う。 サムスがボムの爆風を受けてもダメージはないが、小さく上に吹き飛ぶ。 これを利用した隠しテクニックとして、ボムをタイミングよく仕掛けることで 上方向に無限に上昇する「無限ボムジャンプ」というものも存在する。
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スクリューアタック
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回転ジャンプが無敵かつ攻撃判定になり、体当たりで敵を倒せるようになる。 攻撃力が非常に高く、たいていの雑魚敵は一撃必殺であるが、ボスには攻撃をかわすのみになるので注意が必要。
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目的達成後の脱出
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見事マザーブレインを倒し、「やった、エンディングだ!」と思ったプレイヤーに新たに突きつけられる最後の試練、それが「脱出」。
マザーブレイン撃破と同時に時限爆弾の作動カウントが開始され、制限時間内にゼーベスから脱出しなければゲームオーバーになってしまう。
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脱出経路は非常に小さな足場を正確に飛び移り続けなければならず、ワンミスでかなり下方にまで落ちてしまう。時間は十分あるのだが、緊迫感あるBGMとカウントのせいでプレイヤーの焦りも最高潮に達し、中には初プレイ時には脱出に失敗してしまったプレイヤーも数多くいたという。
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プレイヤーにはおおむね好評であったため、後のシリーズでもお約束のシチュエーションとなった。
タイムアタック要素とマルチエンディング
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無事に脱出に成功するとエンディングだが、攻略時間によって最後の内容がほんのちょっと変わる。
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中でもベストエンディングは多くのプレイヤーの話題となった。
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ネタバレ注意。ただし、今では普通に周知されている事項
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ヘルメット(もしくはスーツ)を脱ぎ、実はサムスが女性だったことが明らかになる。
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説明書では「彼」と紹介されていたうえに「正体は謎に包まれていた」としか記述が無かったためなおさら衝撃は大きかった。
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ちなみに、サムスの正体は開発終盤に決まったものとのこと。サムスが当初女性で無かったことは、「デザイナーの清武氏が、サッカー選手ペレの本名のうろ覚えから採った」というネーミングの経緯からも確認できる(参照)。
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しかし、実は発売時に放映された実写のテレビCMにおけるサムスのスーツアクターが女性だった(つまりCMでネタバレ)。
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これ以降、「条件を満たすとエンディングでサムスが脱ぐ」という要素もシリーズの定番になっている。
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また、後述のNES版では最短時間でクリアすると、スーツを脱いだ状態で2周目をプレイできるようになっている。
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さらに余談だがクリア時間がかかり過ぎた最低ランクのエンディングはサムスが後ろを向いて泣いている。これは当時ファミマガでウル技として紹介された。
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スコア要素や周回引き継ぎ要素のない本作だが、アイテム位置やマップ構成を把握した状態でのプレイは確実に攻略時間を縮めることができるため、よりよいエンディングを見たいという周回プレイへのモチベーションにつながっている。これはシリーズ作および同ジャンルのオマージュ作品においても大きな構成要素となっている。
世界観に合ったBGM
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エリアごとに異なる雰囲気を持つBGMがハードSF的世界観を効果的に盛り上げている。
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作曲者はこの後に『ドクターマリオ』『MOTHER』等の音楽を手がける元クリーチャーズ社長の田中宏和氏。
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特に「メインタイトル」の広大な宇宙空間を彷彿させる静かなイントロ部分は、シリーズを通して使われる代表曲となっている。
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「ブリンスタ」はハードな雰囲気を出しながらも冒険心を掻き立てる明るい曲調で人気が高く、これまたシリーズ全体を象徴するテーマ曲として名高い。
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「小ボスの部屋I」で流れるBGMはダークで陰鬱ながらも幻想的な美しさを感じさせる名曲。アンビエント調のBGMが好まれる海外ファンからは特に評価が高く、動画サイトではアレンジ数、バリエーション共にぶっちぎりの多さを誇る。
賛否両論点
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地形の使いまわし
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製作期間が余り取れなかったことと、ディスクシステムの1Mbitを以ってしても容量が不足してしまうくらいデータが入っていることもあり、ステージ内で同じ地形を使い回していることが多い。そのためマップがないと「同じような場所を堂々巡りしているのではないか?」と疑心暗鬼に陥り易く、非常に迷い易い。もちろんそれは開発サイドの思惑通りでもあり、それを利用した仕掛けも多数存在する。
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また、単に使い回しているわけではなく、壊れる場所などの細部を変えていたり、途中で景観が変わるエリアを挟んだりするなど、退屈・単調な探索にはなりにくいよう配慮されている。
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隠しアイテムの発見難易度
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各地のアイテムもある程度は見える場所に置かれているものの、後半では壁や隠し通路の先に隠されて発見しにくい物や、仕掛けを通過するのに高度なテクニックを要するものがあるなど取得が困難になっていく。
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ただしクリアに必要最低限のアイテムは普通にプレイすれば十分入手可能。
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基本的にアイテム配置箇所はヒントらしいヒントがないため、自力で勘を働かせる必要があるが、見つけたときの達成感は大きい。
問題点
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通常ビームの当たり判定が小さい上に「しゃがむ」という要素がないため、下半身の高さの敵をボムでしか攻撃できず、ストレスを感じやすい。
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攻撃が届く位置にまで敵が移動するのを待ってから倒すか、使いにくいボムで倒す、という面倒な戦法を余儀なくされてしまう。
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次回作以降ではしゃがみ撃ちや空中下撃ちも出来るようになり、改善される事になる。
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融通の利かないビーム関連
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ビームの切り替えにはアイテムを再取得する必要があるため、メインの攻撃手段でありながら切り替えを行いにくい。
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波動ビームは地形を貫通する上に先述した「当たり判定の小ささ」を改善する非常に有用なアイテムだが、ある理由から最終マップ『ツーリアン』に行く際はアイスビームへの変更を余儀なくされるので、「強力なのに最終的には使えない」というもどかしさを感じさせる構成になっている。
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アイスビームは取得した時点でノーマル/ロングビームが2度と撃てなくなる他、波動ビームとは互いに上書きし合うため択一となる。
また、当たった相手は「凍結(ノーダメージ)→ダメージ→凍結…」と繰り返されるため、敵を倒すにはノーマルビームの倍の弾数を撃ち込まなければならなくなり、ゲームテンポが悪くなる。
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画面切り替え時のウェイト
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マップ切り替え時の画面スクロールでは2~3秒間完全に動けなくなる上、一部の敵はサムスの硬直中に体当たりを仕掛けてくる。当然ながら回避できずにダメージを受けてしまう。
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次々作ではこの点が改善され敵の動きも止まるようになったため、上記のように一方的な攻撃を受けることはなくなったものの、タイミングが悪いと一度だけ被弾するケースが見受けられた。この点に関しては「フュージョン」にてようやく改善される。
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ディスクシステムというハードの仕様上仕方のない側面もあるが、エリア移動時のディスク読み込みが非常に長い。頻度こそ多くはないが、なんと30~40秒程も待たされるため、流石に長すぎると言わざるを得ない。
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ゲーム再開時のリカバリーが困難
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ゲームを再開すると、エネルギーが強制的に初期値の30に戻される上、必ずスタート地点からの再開になってしまう。
更に、通常雑魚から出現するエネルギー回復アイテムの出現率が低めな上に回復量も低いので、エネルギーを最大まで戻すのにかなり時間が掛かる。一応未取得のエネルギータンクを回収すれば最大値まで回復できるが、数に限りがあるので当然ながら多用できる技ではない。
ミサイルも同様の問題を抱えている上に、こちらはミサイルタンクを取っても最大値まで補給される訳ではないので、小ボスでミサイルを連射してなお負けた場合は更にリカバリーに時間が掛かる事に…。
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ゲーム内で地図が見られない
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進める道が明確になっていない上に、探索がゲームの中心であるにもかかわらず、ゲーム上で地図を見られない。そのため完全制覇を目指すなら自力でのマッピングをする必要がある。
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RPGやアドベンチャーゲームのような、じっくり攻略するタイプのゲームであればそれも楽しみのひとつと言えるが、アクションゲームで手を止めながらマッピングをするとなるとやはりテンポを削がれてしまう。
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また、先述の地形の使い回しの多さにより地形を把握しにくく混乱しやすいため、マッピング自体の難易度もやや高い。
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開発者もこの不便さ・マップの必要性を認識していたのか、後期のマニュアルには全域のマップが同梱されるようになった。
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ただし、構造こそ複雑ではあるが、普通にクリアする分にはマッピングは必須ではない程度の難易度である。
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セーブ方法が特殊で分かりづらい
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セーブポイントが存在しないため中断セーブしたい場合は、自殺してゲームオーバーになるか、ポーズ中に2コンでセーブ画面呼び出しコマンドを入力しなければならない。
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なお、Wiiのバーチャルコンソール版等では、ポーズ中のセーブ画面呼び出しコマンドが1コンでも入力可能になっている。
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逆に言えばどこでもセーブできるため、一部の箇所ではセーブして中断し、スタート地点から再開することで大幅なショートカットをおこなうというテクニックも存在する。
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リドリー、クレイドはボスの中でも弱く強化アイテムを揃えていれば楽に倒せる部類なのだが、ラスボスのマザーブレインが非常に強すぎる。
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厳密に言うと「強い」というより「うざい」部類に入る。攻略などはおのおの調べて欲しい。
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BGMのループが短く単調に感じられる場面が少々ある。
総評
「自由度の高い探索アクション」という基礎は本作の時点で完成しており、ハマるとやみつきになることうけあい。
細かい点での調整不足は惜しまれるが、独特の世界観・雰囲気は国内外を問わず高い評価を受け、特に北米においてはマリオに比肩するほどの人気作となった。
シリーズを重ねていく毎に本作で挙がった諸々の問題点も解消されてゆき、名作アクションゲームとしての地位を確固たるものにしていった。
余談
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総評で述べた通り本作は日本よりも海外、特に北米圏で絶大な人気を博し、「メトロイドヴァニア」なるジャンル名を生むほどの一大タイトルとなった。
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『メトロイドヴァニア』に厳密な定義はないが、戦闘よりも広大なマップの探索を中心的要素とし、アイテムや能力を得ることで探索範囲が徐々に広がるような構造を取り、そして難易度が高めの2Dアクションゲームが分類されることが多い。
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本作の説明書は、マップを面クリア型のアクションゲームになぞらえて説明したり、「小ボスの部屋I」の配置といったマップ構造まで大胆に明らかにした独特のもの。
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現代の目線から言うと却って難解にも思われてしまうような説明も多いが、そもそも探索アクションと言うジャンルが未確立の時代だったこともあり苦心の跡が窺える。
『ゼルダの伝説』も同様に序盤の攻略が解説されており、ジャンルの草分けであったことが窺える作りになっている。
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ちなみに店舗でのディスクカード書き換えサービスが終了した後も、任天堂は京都本社にて書き換えサービスを実施しており、その際にも折り畳み紙の説明書が同梱されていた。それには裏面を丸々使ってアイテムの位置含むゼーベス全体の完全マップが記載されている。
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前述の「小ボスの部屋I」で流れるBGMは、ファンの間ではクレイドのテーマと広く認識されているようである。
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実際はクレイドに辿り着くまでの道中で流れる曲であり、クレイド本人との戦闘曲ではないのだが、『ゼロミッション』でその道中のエリア名も「クレイド」になったことから、数多く存在するアレンジ動画ではクレイドの画像が貼られているものもしばしば見られる。
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後の『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにて「ブリンスタ深部」というステージが登場し、同じ名称で同BGMのアレンジ版も収録された。
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このためか、現在では原曲やエリア名を同様に「ブリンスタ深部」と呼ぶファンも多い。
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スタッフクレジットのスペシャルサンクスの項に「TOHRYU」「MAKO」「BENKEI」という謎の名前があるが、これは開発当時任天堂の近くにあった中華料理店「東龍」と「サムタイム マコ」と「弁慶食堂」に由来する。
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当時の任天堂は近くに飲食店がほとんどなく、それ故に出前をとるためにこの3店舗は非常に重要なものであった。
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その恩を忘れず、スタッフは感謝とお遊びの意を込めこの店の名を入れたのだとか。
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本作の大ヒットによりその名は瞬く間に知れ渡ることになった。
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その影響か年齢一桁の子供などはアメリカの都市「デトロイト」を初めて聞いた際に「デトロイド」と間違えて認識した例が散見された。
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1990年に同じく任天堂から発売されたファンタジー系シミュレーションRPG『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』では、本作の主人公サムス・アランをルーツとしたキャラ「アラン(パラディン)」と「サムソン(勇者)」が登場している。
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ただし、この2人は2択で片方しか仲間にできないため、「メトロイドコンビ」の結成はできない。
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1994年に発売された『ファイアーエムブレム 紋章の謎』では『暗黒竜と光の剣』のリメイクである第1部「暗黒戦争編」ではやはり2択になるため2人の共演はできないが、新エピソードである第2部「英雄戦争編」では2人とも仲間にできる。
その後の展開
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海外ではディスクシステムが展開されていなかったため、NESで発売されることになった。
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「バッテリーバックアップではなくパスワード制」「再開時はスタート地点ではなく最後にゲームオーバーになったエリアの入り口で再開」「ディスク音源がないことによるサウンドのアレンジと一部BGMにパート追加」「一部敵の攻撃パターン緩和」といった変更がなされている。
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本文中でも触れているが、こちらでは3時間以内にゲームをクリアするとパワードスーツを脱いだレオタード姿の生身サムスを操作しての2周目プレイが可能。ただし、見た目以外の仕様は通常時と変わらないため、丸まり(モーフボール)なども生身のまま行っている。
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生身サムス自体はパスワードでも再現でき、パスワード入力画面で「000000 000020 000000 000020」または「JUSTIN BAILEY ------ ------」と入力しても生身サムスでプレイできる。
前者は装備からゲーム進行まで全てが初期状態、後者は大ボス2体を撃破済で装備も最強状態のパスワードとなっている。ただし後者は波動ビームを装備しているため、そのままだと終盤のとある敵を倒せないという欠点がある。
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ちなみにこの生身サムスは、後の『メトロイド サムスリターンズ』において「ハードモードで4時間以内にクリア」した時にも見られる。本作から実に30年越しの再登場である。
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もう一つ強力なパスワードとして、「NARPAS SWORD0 000000 000000」が存在しており、これを入力するとタンク類以外の装備を揃えた上でエネルギーとミサイルが減らない状態でゲームを最初からプレイできる。加えて通常プレイでは不可能なアイスビームと波動ビームの両立すら可能となっており、正に公式チート。
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これらのパスワードは下記のリメイク作に収録されているNES版でも利用でき、公式サイトでも入力画面付きで紹介されている。
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2004年5月27日には本作のリメイク作品『メトロイド ゼロミッション』が発売された。
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こちらにはクリア後の特典としてNES版も収録されているが、直前のプレイのパスワードが自動保存されるため容易に再開が可能。若干ではあるがパスワードの難点が解消されている。
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『フュージョン』~『ゼロミ』の時期に、メディアミックス展開として講談社系統の雑誌にて漫画版が連載された。
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『月刊マガジンZ』にて石川堅二氏、『コミックボンボン』にて出月こーじ氏がそれぞれほぼ同時期に連載を開始。前者はサムスの幼少時代を含めた過去に関する内容となっており、描かれた設定は公式のものとして扱われている。
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後者はサムスと行動をともにするオリジナルキャラのジョイの成長物語であり、終盤は『メトロイド EX』にタイトル変更され、銀河をまたにかけた冒険活劇へと転換していった。ただし、『EX』に変更されてからの掲載分は単行本化されていない。
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1987年には、双葉社の『ファミコン冒険ゲームブック』シリーズで本作のゲームブックも発売された。
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題名は『メトロイド ゼーベス侵入指令』という題で刊行され、迷路探索や戦闘等はゲーム版システムが上手く再現されているが、ゲームブック版の設定ではパワードスーツ(デザインも異なる)のヘルメットを付けている時は喋れなくなっていたり、スペースパイレーツの乗組員が船長を含め全員人間型男性だったり、さらにサムス・アランの顔が金髪美女ではなく、日本人風ロングヘアーの黒髪美女だったりと、原作ゲーム版にはない設定も存在している。ただ、この『メトロイド ゼーベス侵入指令』は現在は絶版となっており、入手困難となっている。
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徳間書店の「わんぱっくコミックス」シリーズの「必勝テクニック完ペキ版」の第10弾が本作になっており、同書籍で巨匠と名高いみなづき由宇氏によって描かれている。
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この作品では、サムスの正体が女とははっきり描かれない。一人称こそ常に「私」だが美女を2人を連れたハーレム状態な描写があったり、台詞に女性らしさが感じられなかったりと普通に男っぽく描かれている一面もある。
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最後が「銀河の英雄サムスの正体を知る物は誰もいない。しかし勇気あるキミ達ならきっと真のサムスにめぐりあうことができるであろう!!」と締めくくっていることから敢えて隠していて、敢えて性別を確定的な描写をすることを避けたのだろう。
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しかし、同シリーズの第30弾(1987年末)の『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島 前編』の漫画では本編の後に「番外編」というおまけの漫画が付いており、女主人公の「姫子」がサムスに変身するという描写があるなど時期が時期なだけに、もうその事実を隠そうともしていない。
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似たような表現はマガジンボックスの月間ゲーム誌『ゲームボーイ』で連載されていた漫画『ファミコン丈』(作:斉藤栄一)にも使われており、サムスは常に一人称が「私」とはいえ、その口調は男性とも取れるように感じられる言い回しになっている。
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ただ、その作中で主人公の丈がサムスの背中にしがみついた時に「あれぇ…なんだかママみたい」と言ったり、最後にそれを疑って丈がサムスに「アーマーを脱いで正体を見せろー!」とつっかかるなどサムスが女性である隠し要素を匂わす描写もある。
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2016年には『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』(通称ミニファミコン)に収録された。
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このミニファミコン収録に伴い、Web上でもオリジナル版の説明書を公式ページから閲覧できる。
最終更新:2024年07月19日 17:40