観光立国へ「行動計画」 政府、20年までに2000万人目指す
政府は17日午前の観光立国推進閣僚会議で、2020年をめどに訪日外国人を現状の約2倍の2千万人にするための新しい行動計画をまとめた。90日以内の短期滞在査証(ビザ)発給要件の緩和が柱で、年内にもインドネシア向けに免除する。フィリピンとベトナムも団体客など指定した旅行会社による手続きを簡単にする。日本を訪れやすい環境を整え、政府目標の達成に弾みをつける。
同日の閣僚会議で安倍晋三首相は「現状に甘んじることなく、さらに訪日客を増やしたい」と強調、関係閣僚に計画の着実な実施を指示した。
13年に日本を訪れたインドネシアからの旅客は約13万7千人だった。現在は期限内であれば何度でも訪日できる数次ビザの発給にとどまる。人口が2億人を超え、所得水準の向上で海外旅行者が増えており、ビザ免除で訪日客の一段の増加が期待できると判断した。日本がビザの取得を免除するのは67カ国・地域目。
フィリピンとベトナムについては準備が整い次第、日本政府が指定した旅行会社主催の旅行者を対象に取得手続きを簡素化し「実質的なビザ免除」(観光庁)に踏み切る。
このほか行動計画には、20年までに免税店を現在の2倍の全国1万店規模へ増やすことを明記した。海外の富裕層が観光目的で最長1年滞在できる制度の新設や、企業幹部らが一般旅客と別に素早く出入国審査を受けられる優先レーンを成田、関西両国際空港に設けることも盛り込んだ。
政府は昨年6月、外国人旅客の増加に向けた行動計画を作った。13年の訪日客が初めて1千万人を超えたことや、20年の東京五輪開催が決まったことを受けて内容を大幅に拡充することにした。